◼︎エピローグ
「 中途半端に生きてきた。 だからなのだろうか、 思い出も何も忘れてしまった。 それとも、 そんなもの元々なかったのかもしれない。 それでも、 いいとおっしゃるのだろうか。 それでも、 必要だとおっしゃるのだろうか。 私にはもうわからない。 わかることができない。 もう放棄してしまおうか。 それとも______ 」
これ以上、 心を乱さないでくれ。 貴女は、 何なのでしょうか。
こんな化物に、 何を望むのでしょうか。 こんな化物に、 何を思うのでしょうか。
笑いた時に笑うことも、 泣きたい時に泣くことも、 怒りたい時に怒ることも、 貴女は許してくださった。 しかし、 私はもうそのことすらも忘れて、 何も感じないふりをするしかなくなっておるのです。
嗚呼、 なんと無常なのだろうか。 苦しい、 狂おしい。 私はなんという生き物だったか。 この世に何のために生を受けたのであったか。 神というものがこの世におられるなら、 今、 教えてください。 私は何なのでしょうか。
もう、 私は嫌になることすら出来ません。 もう私は、 価値などありません。
だからせめて、 貴女に葬り去っていただきたいのです。
( 不器用で不気味な獣 )