反逆の荷物持ち
「He303ー01はいるか?時間だ、さっさと出ろ」
俺は自分のコードネームを呼ばれて、心なく返事をする。
「はぁーい」
「お前..馬鹿にしてるのかっ!」
ドンッ はぁ、また暴力かよ 飽きねぇなこいつらは。
コードネームは最初のHが作業補助課、次のeが能力の強さを表している。はっきりいってeは最低評価だ。
...まぁ全く能力を使えないfよりはマシかな。いや、実験動物にならないだけあいつらの方がラッキーなのかな?
「今日は何をするんですか?」
「お前のやることなんか、荷物持ちに決まってるだろ」
またかよ、人を何だと思ってるんだ。
俺は実験動物の中でも比較的?恵まれた体格と、手に触れた物質の質量を操作する能力から重宝されている。荷物持ちとしてね。
「肉体労働は大変だぁ」
「なんかいったか」
「すぐにらまないでくださいよ、疲れるなあもう」
「さっさと働け!」
パシンッ 次はムチ打ちかよ。
いってぇな。
けど、こういう所で道を覚えていかなければならない。普段は鉄格子の中だから。
計画は綿密に練ってある、同じ鉄格子の中に逃げ出せと言わんばかりのメンツをバカがいれたからな。
空間認知のHd303ー02
曲光屈折のHc303ー03
そして能力の無い今回最大の立役者Hf303ー04
もうHd303ー02の能力で研究所の地図を作成、Hc303ー03が能力で特殊な光を当てないと見えないようにして地図をみんなに配ってある。
だから後は、俺の能力で鉄格子をすり抜けられるようにして、Hc303ー03の能力で自分達を見えなくし、地図を頼りに研究所のメインコンソールへ、そこであらかじめ細工をしてあった電子ロックをHf303ー04が一斉解除するという流れだ。
後は、みんなで暴れ回るだけ。研究所のやつらも過去一人しか逃がしてないし、それも史上最強と呼ばれた奴だから雑魚が逃げ出すなんてビックリするだろうなぁ。
今回のキーマンはHf303ー04だ、頑張ってくれよ!
まめちしき
He303ー01の303は3期生3号室の意味ですよ