プロローグ
初めまして。林檎と申します。
マイユートピアを見て下さって有難う御座います!
今回が初の投稿になります。
素人の書く文章なので、読んでる方には違和感があるかもしれませんが、それなりに楽しんでもらえたら嬉しいです!
実はこのストーリーは某国擬人化のカップリング要素入り話のストックだったのですが、この機会にオリジナルのストーリーとして書かせて頂きました。
そうなるとキャラクターの名前に困りますね!
でも考えているときは楽しかったです…!
引用してたけど!ほとんど!
文字にすると結構、文章を意識してしまいますね。
それもこれから書くうちに良いモノにしていけるように頑張ります!
ここまで読んで下さって有難う御座いました!
本編へどうぞ!
刃渡り十センチほどのナイフが少女の髪を掠める。数ミリの髪が空に浮いた。
少女は髪は一つ結びにし、学校の制服を着ていた。殴られそうになったところを素早くかわす。
攻撃をしてきた相手は少女を除いて複数の男だった。彼ら全員が武器を所持していたが少女は丸腰で手にスポーツタオルを巻きつけているだけ。
「…ちっ…」
少女は小さく舌打ちをした。
群がってくる男達の後ろにはもう一人、本を抱えている制服を着た背の低いお下げ髪の少女が震えている。
場所は学校だ。普通ならこの状況にはならない。他の生徒もいるし、第一教師が止めに入るだろう。
だがそうはいかなかった。
彼女は有名なヤクザの娘だった。
力有り余る少女は武術などを身体に叩き込まれそこらの不良よりも圧倒的な強さを持ち、どんな相手だろうと潰してきた。
そのため教師からもクラスメイトからも恐れられていた。
喧嘩をしていても見て見ぬフリをし、誰も仲裁に入ることはなかった。
ヤクザの娘、というだけで彼女の力だめしをしたがる不良が喧嘩を売ってくるのも少なくなかった。中には弟子にしてくれと懇願した人もいたぐらいに。
そのせいで彼女、会津芹には女友達はほぼいない。ただ一人を除いては。
偶然、通りかかったとき印象的に根暗そうなお下げ髪のクラスメイトが別のクラスの人に悪い意味で絡まれているところを芹が助けたのだ。
それが切っ掛けで芹はお下げ髪の少女をクラスメイトであり、ただ一人の親友として仲良くなったのである。
彼女は読書好きの文学少女であり人付き合いが苦手な方で、コミニュケーション能力に欠けていた。
もちろん今回もそれが原因で芹が不良達を相手にすることになってしまった。
「…銃刀法ってのを知らねえのかよっ!」
芹は殴りかかってきた相手に打ち身を施し、気絶させる
人数も大分減った。
あと二人。
芹は油断していた。
芹に殴りかかってきた相手を芹は避けた。
が、避けた寸前後ろからもう一人が金属バットを振りかぶり命中させる。
「ってぇ!」
芹は痛みで声を漏らし、地面に手を付く。
もう終わりだ。
再び金属バットを振りかぶった相手は倒れるように崩れた。
誰かが立っていた。
それは高等部の生徒会長、宇都宮彗だった。
彗を見た最後の一人は顏を歪め走り去っていった。
「大丈夫ですか?」
彗は芹に言った。
お下げ髪の少女も駆け寄った。
「私のせいでごめんね、せーちゃん…」
既に泣きそうな顏をしている彼女に芹は
「気にすんなよ!ゆわりのせいじゃねーし!
なっ!」
その言葉でお下げ髪の少女、根室ゆわりはほっとした。
ゆわりは彗の方にお辞儀しながら言った。
「せーちゃんを助けてくれて有難う御座いました。生徒会長さん」
続けて芹も言った。
「お前のおかげだよ。さんきゅな」
言い方に礼儀の欠片もなかった。
「いいんですよ。それに女性相手に、しかも大勢で手を上げるなんて許せませんよ。」
彗は笑った。芹は優しい笑顔だと思った。
なぜか顔が赤くなるのを感じた。
***
二人は彗と別れた後、通学路を通った。
偶然二人は家が近かった。
「せーちゃん」
「……」
「せーちゃんってば」
「なっなんだ?」
芹はやっとゆわりの声に気づく。
「もしかして、背中痛むの?」
「いや、大丈夫だ」
芹は俯いた。顔を隠したいせいなのかどうか。でもゆわりは何かを察したように、
「もしかして会長に惚れちゃったのかな?」
冗談ぽく笑うゆわりだが、図星なので芹は頬を赤く染める。
(あのせーちゃんが顔を赤くしている…!)
ゆわりは口にはださなかった。
ふと空を眺めると夕暮れが近づき、夕日が出ていた。
芹のように赤く染まって。