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転生後の生活

 第1章

 

 爆風の後、青空に一枚の紙が舞う、起き上がり確認すると、解雇通知!!バレてた~~


◇◇◇◇◇◇


 現在、私は7歳の子供を装い、同年代の母親役のミルサーチと同居してる。彼女には別の仕事がある為に、滅多に会う事はないが、7歳設定の自分には保護者と住む家が必要な為、彼女の家に居候している。


 母親役のミルサーチは、こだわり女性で、平民が暮らすボロアパートをペントハウスにして住んでいた。


 彼女の家は、正にペントハウスで、トイレは水洗でウォシュレット付き、お風呂もキッチンも高級マンション並みに充実している。


 ワンフロア6軒をぶち抜いて、彼女は研究室、兼、明るい温室なども作っているので、子供が1人くらいは居候しても気にはならないのだろうか?そう願って暮らしている。


 彼女の暮らしぶりを見ていると、なぜこのような暮らしが?と、疑問に思っているのも事実‥‥


 母親役のミルサーチは病弱設定で、私こと、ホーリー・ペーターは病弱な母親に変わり働きながら、看病しているしっかり者とされた。


 ミルサーチは、上品で教養もあるが、外出は殆どできない状態。その為、娘に文字や計算などを教え、娘は、利発で代筆屋で代筆の手伝いをしながら働いている事になった。


 さて、私が働いている代筆屋は、こんな感じだ。繁華街の中央に位置している代筆屋は、領主邸や公的機関からの仕事が多く、信用度も高い企業と言える。


 ◇ホーリーの日常◇


 「ホーリー、午後は領主様のお城に行くのか?」と代筆屋の主人のハムサルは聞く

 「はい、魔力をお金に変えないと生活できませんから‥‥、こう見えて、小さい体の割には魔力が多いので、そんなに大変ではありません」

 「そうかい‥‥、あまり無理するのではないぞ、ホーリーまで体を壊したら大変だからな」

 「ありがとうございます。では、お先に失礼します」と頭を下げる。


 代筆屋は、領主様直属の代官様に頼まれて、ホーリーを雇っているので、表面上は、良心的である。


 さて、ここで、この国のおかしなシルテㇺをお話しましょう!


 この国の貴族は一定の魔力を奉納する義務があり、王室とお貴族様の魔力が、国を浮かしている。その為、魔力が多ければ身分も高い。稀に平民でも魔力持ちが存在していて、彼らの魔力は領主様が買い取ってくれる。


 そこで、弱ったペーター家は、平民のミルサーチ親子に目をつけ、搾り採れるだけ搾り取り、貴族の地位を高めた。しかし、ある日、ミルサーチの魔力が尽きると、貴族が、納めなければならない魔力も奉納できなくなり、その為、没落、結果、大勢の魔力奴隷が保護された。


 ペーター家没落後に、ホーリーとミルサーチは、転生して来た。そう、彼女たちはペーター家に死ぬほど、魔力を搾り取られ殺害されたのだ。


 騒動の後、ペーター家に軟禁されていた魔力奴隷の平民たちは、解放され、元の生活に戻ったり、領主様に奉納したりして生活しているらしいが、今の私には詳細は不明だ。


◇◇◇◇◇◇


 代筆屋を後にしたホーリーは、てくてくと領主邸に向かっていた。ここは、相変わらず綺麗で壮大だ。


 領主邸の敷地内には平民が奉納を行う神殿がある。平民専用の為、神官は少なく静かだ。


 現在のホーリーは、母親譲りの豊富な魔力で稼いでいる。代筆屋の賃金も決して安くはないが、仕事が常にある訳ではなく、下っ端のホーリーは忙しい時だけ呼ばれる。


 代筆屋に出勤後は、自力で机を並べて仕事を開始する、薄暗い端っこの埃っぽい机に座り、小さな手で一字一字、丁寧に書いていくので、仕事は遅い、給金は出来高制なので、生活は楽ではない。


 しかし、魔力の奉納は均一料金、大人でも子供でも同じ単価で取引されている。大きな建物に入ると、ミルサーチに似た美しい女神の像があり、その像を中心に小部屋があり、使用中の部屋には明かりがついている。


 「しかし、似ているよな~~?この女神様は、平民神殿だけにあるのかしら‥‥?」と、いつも思う。


 入室して、壁の魔石に手を当てると、自然に魔力が引き出され、金貨や銀貨、またはもっと小さな小銭が排出される。


 この部屋は不正防止の魔術がかかっていて、決して不正は出来ないらしい、女神様が見守っているからと、保護された時に代官様に教えられた。


 ホーリーになって、3ケ月、結構な金貨を手に入れた。本当は毎日でも通いたいが、世間の目があるので、週に1回にしている。金貨10枚で大金貨1枚になる。大金貨10枚で城外に土地を買える権利が貰える。平民にとって土地を持つことは長年の夢だ。


 ホーリーは来るたびに金貨1枚を受け取っていて、小銭もチラホラ出てくる。ペーター家に捕まらなければ、今頃、優雅な生活を送っていただろうに、彼女たちを思うと残念でならない‥‥、小銭を小さなお財布に入れて、金貨は、下着の中のポケットにしまい小部屋を出て、女神様に、世の中の不満をぶつぶつと訴えた後に出口に向かう。


 後1、2か月で春になる為か、小道の両サイドには緑が増えてきている。花が咲くのが楽しみだと思いながら、歩いていると、お世話になった代官様があらわれ手招きしている。


 「お代官様、こんにちは、お久しぶりです」

 「ホーリー、奉納かい?お母様の具合はどうですか?」


 見るからに、でっぷり役人と言う感じのレアテム代官は、親し気に話しかける。

 「はい、今は、少し固形の物が食べれるようになりました。ありがとうございます」

 「そうかい、領主様の邸宅に来ることは出来そうもないかね?」

 「はい、母に外出は、無理だと思います‥‥」


 二人の間に微妙は空気が流れる。


 ミルサーチは病弱で色は白くおまけに美人だ。実際の生活は、どこから仕入れて来たのかわからないが、大きなステーキを美味しそうに食べている。


 「ペーター家の清算が済んで、君たち親子に返金できるのだよ。母上が来れない場合、金額が大きくなってしまうから、ミルサーチさんに、商業ギルドカードを作ってもらいたいのだが、困ったな」

 

 「私では駄目なのでしょうか?」

 「君はいくつか?」

 「7歳です」

 「う〜ん、7歳か、まぁ、その魔力なら大丈夫か‥‥、これから商業ギルドに寄る事はできるかね?」

 「はい、大丈夫です」


 商業ギルドとは銀行も兼ねていて、投資や商売を始める場合の登録、融資も行うらしい。


 お代官様と、お付きの文官2名、小さいホーリーは、中央通りにある大きな商業ギルドにやって来た。


 このギルドの信用度はトリプルAレベルで、王都の商業ギルドにも通じていると言われている。


 代官様は顔見知りなのか、商業ギルドのお偉いさんがわざわざ出迎え、階段を登り、用意された部屋で話し合いが行われ、お茶とお菓子がテーブルに揃うと、話し合いが始まった。


 「しかし、このような小さなお子様に、商業ギルドカードですか?」

 「ああ、彼女はホーリー・ペーターと言って、‥‥その‥‥わかるよな?」

 「あのホーリー家の‥‥」と言うと、商業ギルトのサッシュはホーリーを見る。


 みんなが次の言葉を探している時、ホーリーが口を開く。


 「私の本当の名は、ホーリー・フェイスブルと申します。この国では平民ですが、実は家名があります。家名が、この国の家名でない為に、あのような目にあいました」


 またまた、大きな爆弾を落とされたように目を見開いたサッシュ副官は、アワアワして言葉が出て来ない。


 「そ、そ、その名は‥‥」

 「サッシュ副官、みなまで言うな、わたしも、今、初めて知ったのだ」


 「‥‥‥」


 この部屋に居るのは、サッシュ副ギルド長と、レアテム代官、ホーリーだけだ。一緒に連れて来た見習い文官は下のギルド内で用事をしている。その用事とは、来る途中の馬車のなかで、ホーリーが提案した土地探しだ。


 「‥‥君は、その名前で城外に土地が欲しいと言うのかね?」

 「いいえ、ホーリーの名でお願いします」


 「土地を買って何をするんだ?」


 「はい、このような大金を頂いて、土地以外の何につかいますか?今の家はありますが、母は6階のあの部屋では、虹を渡るまで、外出はできません。今は、どの国も、魔力が枯渇した母を狙う貴族はいないと思いますが、私はどうでしょう?まだ、魔力奴隷の存在は、噂程度ですが、あの時、解放された子供達は、永遠に、怯えて暮らさなければなりません。その為に、土地を買って、領主様の土地管理帳に記載されれば、結界が張られるのですよね?代筆屋で、そう、聞きましが‥‥」


 「確かにそうですが、他国の‥‥」

 「みなまで言うな!わかってるな!」


 3人、それぞれの思惑の中にドップリと浸っていると、二人の見習い文官は軽やかに戻って来て、

 

 「少し離れますが、良い土地がありました」と、誇らしげに報告した。


 「‥‥‥」



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