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私は猫である。
私は猫である。見目麗しいだの、毛並みが素敵だの、そういったものは何ひとつ無い、そこら辺にいる猫と見た目はそう変わりのない猫である。
そうだね、違いがあるとするならば、最早数える気も起こらないほどの月日を経て生きてきた事だろうか。食事もするし、眠る事もする、遠くへ遊びに行くのも好きだし、その土地のうまいものを食べたり見たりするのも好きだ。
ただ、死なない。死ねない。不死である。怪我をした瞬間から癒えていき、老いた感覚も無いので不老でもある。そして、遥か昔に知り合った魔法使いに魔法の使い方を教えてもらって出来上がった、世にも珍しい魔法を使う猫が私である。
私も初めから魔法猫であったわけでなく、不老不死になったのにもそれなりの理由と思い出がある。生まれてから今までの全てを語り尽くすつもりはないが、そんな私の思い出話をしていこうと思う。それはもう長い長い時を生きて来たからね、思い出話も積もるほどあるわけだ。
理由は特にないんだ。暇つぶしのようなもので、こうして聴いてくれる相手が居るのなら語ってみようかと思い至った、それだけの事。
それじゃ始めようか、私か君が飽きるまで。




