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謎が多すぎる部活に入るのは危険だからやめておけ。

自分の手をじっと見つめるも手から何かしらのオーラが出ている訳もなく。。。。



さっき、女子生徒の傷を治したときの、あの温かい感覚。

それがなんだったのか、まだ理解できていない。



でも——


「あんたの父親は、傷を治す力を持っていた」

昨日確かに母さんはそう言っていた。

にわかに信じられない話だったが、どうやら俺は父の力を受け継いでいるらしい。



ふと、昨日の夕食時の会話が鮮明に蘇ってきた。



「あ、そうそう」


母さんが、食後の紅茶をすすりながら、ふと思い出したように言った。



「神主さんが言ってたんだけど、他にもあんたと同じ、神様の子供がいるって……」



「え?」

と俺が聞き返すと、母さんは少し眉を寄せながら続けた。



「破滅を呼んでしまう破壊神? みたいな。

その子が世界を壊してしまうと自覚すれば危ないから、絶対に自覚させちゃいけないって、

そう言ってたわ」



「……破壊神…??」



「そう…。なんだか、可哀想な話よね。自分の意思とは関係なく何かを傷つけてしまうなんて……」



そのときは、「そんな話あるわけ…」と流したけど、

今思えば、もっとちゃんと真剣に話を聞いておくべきだった。



「ねぇ、大丈夫??」



はっと我に返ると、

目の前に俺をじっと見つめる女子生徒がいた。



黒髪のロングヘアが、そよ風にさらさらと揺れている。



ぱっちりとした大きな瞳が、俺をまっすぐに捉えて——



(やべぇ……かわいい。)


って、違う違う!

そう思ってる場合じゃないだろ!

俺は慌てて視線をそらした。



「君たち、大丈夫!?」


不意に、女性の声がかかった。

振り向くと、保健室の先生であろう女性がこちらに近づいてきていた。



「ああ、俺は大丈夫です」



ややぽっちゃりした体形の女性が続けて話しかける。

「あなたは?平気?」



女子生徒が、小さく頷く。



先生は俺たちの様子を確認し、一安心したように胸を撫で下ろした。



「それならいいんだけど……何かあったら保健室に来ること。いいわね?」



「はい、わかりました」



その場から離れようとしたそのとき——



「あなた達! ふしぎ発見! なんでも解決団! 通称 FNK に入部しない!?」



……?



突如、ハイテンションな声が響いた。



振り向くと、茶髪のポニーテールに明るい笑顔を浮かべた女子生徒が俺たちの前に立っていた。


アイドル並みに可愛い顔だと思ったのが、それよりも彼女の胸の方に目線がいく。

大きすぎるバストで制服のシャツのボタンが今にも飛んでいってしまいそうだ。




「……えっと、いきなり何?」



俺が困惑していると、彼女はニコッと笑う。



「私は 相澤心菜! FNKの部長よ! で、どう!? 入るでしょ!?」



「いやいや、どうって……そもそも、その FNK って何?」



「ふしぎ発見! なんでも、解決団! つまり、学校内外の 不可解な現象を調査し、解決する部活 !」



「……え?」



まさか、とは思うが……もしかして、このタイミングで俺たちに声をかけてきたってことは——



「さあ、細かい話は部室で! こっちこっち!」



「え、ちょ、ま——」



俺の抗議も聞かず、相澤は俺と女子生徒の腕を引っ張った。


「ちょっ!話なら後日聞くから離してくれ!」


その抵抗も虚しく、そのまま俺たちは FNKの部室へと連行されるのだった——。


相澤に腕を引っ張られ、俺と女子生徒はそのまま部室へと連れ込まれた。



部実に入った瞬間、部屋の奥にある窓際の席に座る男子生徒が目に入る。



金髪で、黒縁のメガネをかけた男子生徒。

開かれた難しそうな本をじっと見つめ、俺たちには目もくれない。



「時任くん!新しい新入部員候補を連れてきたよ!」



相澤が明るく声をかけると、時任はこちらを見ることなく「そうか…」とつまらなそうに答えた。



なんだこいつ、やる気ゼロじゃないか。



「えーと、君たち名前は?」



相澤が俺たちに尋ねる。



「俺は神谷春斗…えーこっちは…」



「黒咲アンナ……」



黒咲の表情を見るかぎり、早く家に帰りたいといった感じだ。



「私は 相澤心菜! 2年生で、このFNKの部長!

でね、この不愛想なクールガイは、あたしと同じ2年の 時任優也くん!」



「……だるい」



本を閉じることもなく、時任はそれだけ呟いた。





「部員って、二人だけ?」



俺が尋ねると、時任はあっさりと「そうだ」と返す。



「改めて聞くけど、このクラブって結局何をする部活なん…ですか?」


「あっ!敬語はNG!あたしたちは君たちの1つ先輩だけどタメ口でいいよ!」

相澤が俺の肩に手を置き

そのまま誇らしげに胸を張って答えた。



「この学校の生徒達、先生たち、あらゆる人たちの悩みだったり、不思議な現象なんかを解決するクラブだよ!」



「くだらない悩みを聞くだけのクラブだ……」



時任が面倒くさそうに付け加える。



「そんなこと言うから部員が増えないんじゃない!」



相澤が怒ると、時任は溜め息をつきながら椅子から立ち上がった。



「うるさいから図書館に行ってくる」



「ちょっと! ちゃんと勧誘手伝ってよ!」



「興味ない……」



時任はそれだけ言い残し、さっさと部室を出て行った。



「はぁ……時任くん、ほんと協力する気ないんだから」



そう呟きながら、相澤は部室の机の上に並べられた大量のお菓子の山をガサゴソと漁り始めた。


ふとあるお菓子が俺の目に入ってくる。

(俺が好きなメーカーのチョコクッキー…。あれ、やっぱ人気なんだな)



「ほら、これあげる!」



そう言って、俺と黒咲にそれぞれ一つずつお菓子を手渡してきた。



俺が受け取ったのは……俺の大好きなチョコクッキー だった。



「どうも……」



嬉しいけど、それを顔に出すのもなんか恥ずかしい。

適当に「いただきます」とだけ言って袋を開けた。



黒咲のほうを見ると、彼女も好きなお菓子だったのか、果物の形をしたグミのお菓子を手の中で大事そうに持っている。



「ふふっ、喜んでもらえたみたいで何より!」



相澤はにやりと笑う。



お菓子を食べながら、俺たちは相澤の話を聞くことにした。



すると、相澤は急に真剣な表情になり、俺たちをじっと見つめる。



「ねえ、初対面で言うのもアレなんだけど、言っちゃっていい?」



「……なんですか?」




まだ続きます。

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