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13/21

コンビニの店員はいつだって大変なのかもしれない。

神社の鳥居をくぐり抜けたところで、ふと思い出した。


「あ、そうだ。夕飯…」


家の冷蔵庫にはロクな食材がなかったし、寄り道してコンビニで何か買って帰るか。


そう考えながら、近くのコンビニへ向かう。




コンビニの前に着くと、妙に人だかりができていた。


なんだ?新作スイーツの発売日とかか?


そんなことを思いつつ、特に気にせず店内へ入る。


すると──俺の視界に、長い金髪をなびかせた女性が飛び込んできた。


「……ん?」


レジカウンターに立つその女性は、

制服の胸元に「研修中」と書かれた名札をつけていた。


年齢は……俺よりちょっと上くらいか?


顔立ちは端正で、まるで雑誌の表紙を飾るモデルのような美貌。

正統派の美人、ってやつだ。


それにしても……どこかで見たことがある気がする。


「音無さん、昼休憩いっていいっすよ」


突然、バックヤードから出てきた派手な赤髪の男が、

大きなあくびをしながら言った。


「はい!じゃあ後お願いします!」


金髪美女はにこりと笑って軽く会釈すると、そのままバックヤードへ消えていった。


彼女のいたレジに並んでいた男たちが、一斉にため息をつく。


まるで楽しみにしていたイベントが急に中止になったみたいな、そんな落胆ぶりだ。


……って、おいおい。


さっき、音無さんって言ってたような……。


一気に頭の中で、昼間の出来事がフラッシュバックする。


俺の家に不法侵入してきた、あの音無?


まさか……いやいや、ありえないだろ。


とはいえ、ありえないと思いつつも、何か胸騒ぎがするのも事実。


一度確認した方がいいか……?


……いや、まずは晩飯を買おう。


俺は考えるのをやめて、店内の棚へと足を向けた。




デラックス幕の内弁当を手に取る。


値段は……まあまあするな。けど、今日はちょっと豪華にいこう。


そう思いながら、レジの列へと並ぶ。


しかし、列がやけに長い。


どうやら、このコンビニは店員が少ないらしく、

今は赤髪の男しか接客対応していないようだ。


人手不足か?それともただのシフトミスか。


そうこうしているうちに、俺の番が回ってきた。


「……ったく、店長…まだ来ねぇのかよ」


ぶつぶつと文句を言いながら、

赤髪の男がめんどくさそうに幕の内弁当のバーコードを読み取る。


「680円です」


声にやる気が感じられない。


ふと、彼の胸につけられた名札に目をやる。


──「赤井」。


赤い髪の赤井……なるほど、覚えやすいな。


俺は無言のまま、自動支払機に千円札を突っ込み、お釣りを受け取る。


「ありがとうございました」


無感情にそう言い放つ赤井。


店の空気も含めて、妙にドライな対応だ。


まあ、特に気にすることでもないか。


弁当の袋を持ち、店を出た、そのとき。


「ちょっと来て!」


突然、腕をぐいっと引っ張られた。


驚いて振り返ると、そこにいたのは──先ほどの金髪美女。


え?何?


混乱する間もなく、彼女は俺の腕を引いたまま、店の横にある従業員入口へと向かう。


「おい、ちょっと待て!」


「いいから!」


半ば強引に引っ張られ、俺はそのまま店の中へと連れ込まれた。


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