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18 ルルナの救出と空間ボックス


8層のダンジョンでは。



ガンッ、ガガガガッ! と攻撃を繰り返す魔物達。


時間が経つにつれ、バンッ、ゴゴゴッ、ガコンッ!! と、大きな音を立てて激しくなる攻撃の数々。



「はぁーー……」



帰り道が分からない。


移動して良いのかも分からない。


もし移動して結界みたいなのが壊れたら? って考えるとなぁ。




んっ?




さっき何か光ったよね。


やっぱりキラキラと光ってる。



移動してみようかな、足を1歩出し進むと結界も一緒に進んでくれていた。


おぉぉぉ。これなら、あの光の所まで行けそう。



土の中から光ってる?



掘ってみようかな……ガッガッガッ、ガリガリガリッ……。


あと少し…ザクザクザクッ……「わあぁ!」土の中にあった物を見て声が漏れてしまった。



白い肩掛けバックだ!


さっきまで土の中にあったとは思えないくらいの綺麗さだ。それも新品のように綺麗な状態だ。


中は「えっ?」ちょっと待って。


底が無いよ?


何で?


手の平に1枚の手紙が出てきたけど、魔法のバックなのかも。


ルンルン気分で手紙を開くと、一人の老人が立体映像のように出てきた。


「おぉぉぉ、魔法の世界は凄いなぁ」


バババババッ、映像に何度も手をかざしたり、ツンツンと、お爺さんをツツいてみたが反応なし。


うん、やっぱり凄いな。


 って、感心してる場合ではないな。


お爺さんの話を聞かないと。





『わしの立体映像の手紙をみていると言うことは、地球からの転生者だな?


わしも地球で亡くなり、神と女神に便利なスキルと特殊な空間ボックスを授かり、この世界へと転生したが、欲深い貴族共と王族に、この【空間ボックス】を狙われ、追われる毎日だった。


国を転々としたワシは、このダンジョンのことを知り、8層に隠すことにしたんだ。


なぜ8層なのかと思っているじゃろ?


未だに5層も攻略されていないからじゃ、それにの……なんでだろうな、会ったこともない幼女がここでピンチになる夢を何度も見るんじゃ。


その幼子の心は真っ白のように純粋なんじゃ。そんな心優しい転生者のお前さんに【空間ボックス】を託したいと思い、この場所に手紙とともに封印した。


この空間ボックスは生きた人間や動物を入れることが可能だ。普通のアイテムボックスに生き物や人間、獣人が入れば何らかの影響を受け命の危険があるのだが、この空間ボックスだけはチートで出来た優れ物なんだ。あとは、瀕死の生き物や人間を入れると完全回復はもちろんのこと体に異常があるモノも治してしまう便利機能付きの鞄なんじゃ。凄いじゃろう?


だがな、この空間ボックスのことは信(・)頼(・)す(・)る(・)者(・)にのみ話すんだぞ?


いいな?


間違っても、不信感を感じる者には絶対に話すんじゃないぞ!


この世は恐ろしい場所じゃからな。


最後に。


この光が見えるのは清い心を持った転生者だけに見えるよう魔法をかけ、お前さんが見つけてくれるのを待っていた。


どうか、この鞄を受け取ってほしい。


あとのことは頼んだぞ!』


お爺さんはウインクをして光とともに消えた。



ウインクして「あとのことは頼んだぞ!」って、何をどうしたら……待てよ。


この空間ボックスって便利じゃん!


まぁ、私の特殊想像生成も便利で生活には全く困らないしけど、空間ボックスの中の機能が特に凄すぎ!




それにしても、この魔物達は暇なの?


あぁ、餌が欲しいんだ。まぁ、私が餌みたいなもんだしね。


私もお腹空いたなぁ。


美味しいドーナツ……。


「ドーナツ来たぁぁ!!


んんーー、美味しい!」


食べてお腹いっぱい、あとは寝るだけなんだけど……周りに魔物やモンスターだらけの中で眠れるわけがない。


(炎の渦(ファイヤートルネード))


魔物達よ、消し炭になりなさい!


って、これじゃぁ悪役みたい! 誰か助けに来てくれないかな?


パパやギルドのみんなが心配してるよね。


あの幼女攫いの三人組はギルドに帰ったのかな? それとも帰らず他の街に行ったとか?


アイツらのことなんて考えてても仕方ない。


それにしても、さっき消し炭にしたのに新たな魔物が来てるし……マジでさぁ空気を読めよ!


このミノタウロスの顔が近くて怖い、だって目がメッチャ血走ってるんだもん。


向きを変えても他の魔物やモンスターがいるし、牛肉でも食べる?


膝を抱えて座り見物しよう!


「ほらほら、餌だよ」


おぉぉぉぉぉ! 食いつきはやっ!!


魔物やモンスターは肉食だし、ライオンみたいなもんだよね。


「このお肉を……取って来ぉぉぉい!!


って、そこで食うのかよ!」


もう飽きた。




あれからどれくらいたったんだろ?




あれっ?


声?


気のせいかな、幻聴が聞こえるって、ある意味ヤバイよね。


「……ナ……」


でも、やっぱり聞こえる。


よく耳を澄ますと……!


聞こえた。私の名前を呼んでる!


「……ルルナーーッ!


どこだ。どこにいる、ルルナッッ!!」


ハッキリと聞こえた。


パパの声だ!


立ち上がった私は、嬉しさのあまり体が震え、ありったけの声で叫んだ。


「パパッ!


私はここだよ! パパーーッ!!」


私の声に反応したパパは、魔物やモンスターが集まっている場所を目掛けて「ルルナ! 今ルルナの声がした!!」と叫びながら突進した。


そして、パパと筋肉マッチョさんの大剣が、魔物を蹴散らすように走って来ている。


剣で魔物をガンッ! とぶっ飛ばし。


ゴッ!! と、モンスターどもを薙ぎ払っていた。


後ろの長剣のイケメンさんは、軽やかに魔物を切り裂き。


後方のスタイル抜群なお姉さんの攻撃が、一番強く見える。


だって、魔法攻撃を間近で見たのは初めてだからだ。


雷魔法でバリバリバリバリッッ!! と魔物を感電させ。


炎でそこら中のモンスターをゴオオォォォーーーーッッ!! と焼き払った。



うぅん、パパも凄いけど。一緒にいる人達はもっと凄い!


私を囲っていた魔物を魔法で一掃したり、蹴散らしたりで、ホントに人間なのかな?


「ルルナッ!


良かった……んっ?


結界まで出来るとはさすが俺の自慢の娘だ!!」


「うん、パパが来てくれるって信じてたから、ここで待ってたの」


パパは、優しく頭を撫でながら屈み、ギュッと私を抱きしめてくれた。


「結界を張って頑張ってたんだな。


偉かったぞ!」


人前で結界を見られたのは初めてだけど、でも何でだろう? この人達なら信用して話しても大丈夫って気がする。


そう思うと、緊張していた心が緩み、目から大粒の涙が流れた。


「パパ、パパァァッ!


う、うぅぅぅっ……ひっく、わあぁぁぁん!!」


ギュッと強く抱きしめてくれ、やっと安堵することが出来た。


「無事で良かった。


どこも怪我していないのか?」


「うん、始めは怖かったけど、今はもう大丈夫」


パパは、私に三人の英雄を紹介してくれた。


「偉かったぞ!


ルルナ、この大剣持ってるのがマリウス。


長剣持ってるのがモーリス。


魔法で一掃していたのがララだ」


「マリウスさん、モーリスさん、ララさん。


私の為に助けに来てくださり、ありがとうございます。この御恩は一生忘れません」


ララさんが近付き、頭を撫でた。


「こんなに可愛い子を置き去りにするなんて、許せないわね!


もう大丈夫よ」


「ララさ……」


私の唇に、ララさんの人差し指でトンッとされ、言いかけた言葉を遮(さえぎ)られ。


「ララって呼び捨てで良いのよ。


それにしても、話し方も仕草も……いいえ、何でもないわ」


「そうだよ。呼び捨てで……そうだな……。


俺のことは、可愛い声で「マリウス兄さん」って呼んでも良いんだぞ!」


「えっ、でも……」


マリウスさんの頭をペシンと叩いたモーリスさんは、ため息をついていた。


「なーーにがマリウス兄さんだ。


俺のことは、モーリスと呼び捨てで呼んでくれ」



会釈をして挨拶をした。



「初めまして、私はルルナ。


パパとギルドでお世話になっています。


どうぞ、宜しくお願いいたします」



背筋を伸ばし、綺麗な会釈をした。



数多の中から読んでいただきありがとうございます。


「面白かった!」

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「今後どうなるのっ……!」


と思ったら


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