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15 親バカと帰還した仲間

ガタゴトと大きな音を立てているのはギルマスこと、私のパパだ。


養父になるには国王の印が必要になるのだが、私の『ルルナ・エメルロ侯爵』の名で国王に申請した。が、何故かあっさりと養子縁組が決まった。


みんなはルルナの居場所が分かったし、いつでも暗殺が出来るから養子縁組の申請を受理したんだと思うなんて怖いこと話してたし。


「あの莫大な金とアイテムボックスを奪い取ろうとしてるのもあるんじゃねぇか?」


「それは俺も同意見だ。


ルルナを亡き者にすれば残りの莫大な遺産は自分たちの物に出来るからなぁ」


あぁ、あのお金かぁ。あれは転生する前の私のお金だ。50億ってかなりの大金だよ。それも、この世界のお金に換金すると倍になって赤金貨100億枚だものね。私の方が驚いたよ!


まぁ、子供が持ってたら確実に殺されるフラグが立つよ。ってか、殺されるフラグは立ったままだから、なんとかしてフラグを折らなきゃなんだけど……。


「はぁぁぁ(前途多難だぁ……)」


音が止んだと思ったら、パパとドルバルがこちらを見ていた。


2人ともどうしたんだろ?


引越しはもう終わったのか聞こうとしたんだけど。


「お引越し終わっ……」


パパは私を抱き上げると。


「どうした?


体調悪くなったのか?」


私がため息をついたのに気づいた2人は、作業を止めたのだった。


「えっ? 体調は悪くないよ。


……自分の素性を明かした私が言うのも変だけど、みんなのことが心配なの」


「ルルナに言ってなかったがな、このサイチの街はルルナの親戚にあたる方が領主なんだ。その方の名は『ベルナール・コールラン辺境伯』だ。


コールラン辺境伯はエメルロ侯爵の一族全員が隣国へ移住するまでは帰国しないと宣言してたんだが……ん?


なんかおかしくないか? エメルロ公爵家が事故死したと聞かされたら一刻も早く駆けつけるのが身内だよなぁ?


もしかすると、ルルナの家族が亡くなったことを聞かされてない確率が……高いな。


コールラン辺境伯は人一倍情に厚い方、そのお方がルルナのところに来ないわけがない!」


「レンとライラに調べさせるか?」


「そうだな、ライラの代わりは俺が……」


みんなが私のために動いてくれてるんだから、私もなにか手伝いたい! ライラの代わりに私がと思い立候補すると。


「はい、はい、はーーいっ!!


私がライラの代わりに受付する!」


パパとドルバルは顔を見合わせていたが、顔を左右に振っていた。


「駄目だ。理由は荒くれ者の相手や素材の買い取り、依頼などの業務やその他もろもろ…と、ルルナの気持ちは嬉しいが受付は……」


コンコンとノックされたあと、紫の瞳に魔法使いが着るようなラフな衣服に、白いシルク素材のようなローブの上からでも分かる豊満な胸!! ブラウンの髪をポニーテールにまとめた綺麗な女性がロッドを持って立っていた。


「私がレンと隠密するわよ」


「おぉ! ドリアン、帰りを待っていたぞ!」


「待たせてごめんなさいね。依頼は直ぐに終わったんだけど、王都では騎士が四六時中徘徊していたのよ。


なぁんか動きが怪しいから聞き込みしてたら、エメルロ侯爵の娘、それも妹の方がルドルフ殿下と婚約して、姉の方は罪を犯したから逃走しているらしくて、捜索して見つけ次第処刑だと騎士がコソコソと話してたわ」


さーーっと血の気が引くのを感じた私は、その場からフラフラとベッドに横になり、布団を頭からかぶった。


異変に気づいたパパとドルバルはベッドに駆け寄り、小さく震える布団越しに話しかけられた。その後ろから、ドリアンがギルマスを押し退け謝罪をしてきた。


「ルルナ、大丈夫だ。


昨夜も言ったが、ルルナのことは俺たちが必ず守る。だから、いつもの可愛い笑顔を見せてく……ぅをっ、おいドリアン……」


「ルルナちゃん、私の発言で貴女を不安にさせて、傷つけてしまったこと謝るわ。ごめんなさい!」


布団の上から優しくぎゅっと抱きしめてくれてるドリアン。彼女は悪くないよ、私はただ……処刑って言葉が怖かっただけ。ドリアンとパパ、ドルバルに大丈夫だよって伝えなきゃ。


ベッドから起き上がり、今にも泣き出しそうなドリアンの手を握り、ニッコリと微笑んだ。


「ドリアンさんは悪くないよ。王都での情報ありがとう。


私のことはルルナと呼んでくれると嬉しいです」


「ルルナ、ありがとう。


私こそ『さん』付けは要らないわ。


仲良くしてもらえると嬉しいわ」


(コクリ)とうなずくと、横からパパがオーバーなリアクションで私を抱き上げ、いつも以上の甘やかしが始まった。


ドルバルは「また始まった」と一言ぼやき、ドリアンにコソコソと耳打ちして聞かせた。


「ギルマスはな、ルルナのことを養女にする前からデ~レデレしたオヤジ…じゃなくてな、ルルナ大好き円環(えんかん)に入るんだよ」


「ルルナが可愛いのは認めるけどさ。まぁ、今はまだ子供だからいいんだろうけど、恋愛する年頃になったら大変そうねぇ」


「……俺もそれは、考えたくねぇな……」


「まぁ! ドルバルまで……これは重症ね。


一つ言わせてもらうわ……腑(・)抜(・)け(・)になる前に鍛錬を忘れるんじゃないわよ?


守ると約束したなら特にね!!」


カッコイイ!!


ドリアン凄くカッコイイ!!


私はドリアンに両手を広げ。頭をコテンと傾け、抱っこしてポーズでドリアンが来るのを待った。


『ズッッッキューーン!!!!』


えっ? 何の音?


「か、可愛い……なんて可愛いの!


天使だわ!!」


どうやらドリアンがルルナに心を射止められた音だったみたいだ。


でもね、ボインバインな豊満なお胸が顔に……く、苦しい!


ボインバインお胸に殺されるぅぅぅ!


ボインバインお胸のパフンパフン窒息処刑じゃん!


「……う"う"う"ぅぅぅ……」


「おいおい、ドリアン抱きつきすぎだ。ルルナが窒息しちまう!」


「やだ、ごめんなさい!


ルルナ大丈夫?」


「ぷはぁ」危うくボインバインなお胸に三途の川へ送られるところだったよ。


「私は大丈夫よ。


ドリアンのお胸は大きくて良いな。


私も大きくなるかな?」


ぺったんこな胸を服の上から触っていると、バッと抱き上げたパパは顔を左右に何度も振ったあと。


「ルルナはこのままでいいんだ!!」


「いやいや、成長しないのもまずいだろ……ギルマスはホントに親バカだよなぁ」


ドリアンはドルバルの言葉に賛同してうなずいていた。私も一緒に何度も何度もうなずいた。

数多の中から読んでいただきありがとうございます。


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