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第2話 目が覚めたら部屋に神父がいました

うっすらと目が覚めた。リビングの天井が見える。

部屋の電気がついているのが気になった。

(リビングで寝ちゃったかな。お風呂入ったっけ…って!!!)

ガバッと急いで体を起こす。そうしたら異様な光景が目に入った。


瑠衣(るい)は自宅のリビングのソファーで寝ていた。

そしてそのすぐ横に床に正座する1人の男がいた。

座高だけで背が高いのがよく分かる。たぶん180センチはありそうだ。そして神父が着るような真っ黒な長いロングのコートのような服を着ている。肌にぴったりとくっついたその服から細身なのにガッチリしてそうな雰囲気が伺える。

肌は白く、茶髪で眼鏡をかけている。男は横目で瑠衣(るい)をじろりと見た。

「ひぃぃ…」

ついか細い声が漏れた。

瑠衣(るい)はずりずりと後ずさりした。しかしそこはソファーの上。すぐに背もたれにガツンとぶつかった。

「…」

男を凝視したまま動けずにいると、男は瑠衣(るい)の方へ体をずいっと動かし、正座した。礼儀正しい人なのだろうか。


「あなたのお名前はなんですか?」

「へっ!!?…あ、佐久間瑠衣(さくまるい)です」

ふいに声をかけられ、思わず答えてしまう。

「ふむ…異常なさそうですね」

そう言いながら男はじろじろと瑠衣(るい)を見る。

背中がぞわぞわして、一瞬消えかけた警戒心がよみがえってきた。

「あ…あの、ど、どちらさまですか…?」

「私はとある教会に所属している御影(みかげ)という者です。道で倒れていたあなたをこちらの家まで運びました。失礼ながら住所は手荷物の学生証を確認させてもらいました。お部屋の鍵も拝借させてもらいました。」

「はあ…その、ありがとうございます…?」

瑠衣(るい)は感謝するべきなのか、恐怖するべきなのか混乱した。

丁寧に説明してくれたけれど、この人は信頼に足る人物なのだろうか?

「あなたには謝らなければならないことがありまして、私はここで目覚めるのを待ってました。」

「はあ…」

こほん、と咳払いをして御影(みかげ)は話し始めた。

「私たちは悪い魔女を長きに渡り追っておりました。

魔女は災いを呼ぶ力を持っており、それは世界の平和を脅かすものでした。

世の中の安寧の為、我々は魔女を倒さんとし、そして先ほど魔女をついに追い詰めたのです。しかし、満身創痍の魔女は自らの体を捨て、魂だけで逃げ出したのです。それは予想もしないことでした。そして傷ついた魔女は近くにいた女性に憑依しました。

今は眠っておりますが、そう遠くない未来、徐々に力を取り戻し、その女性を新たな自分の肉体へとするでしょう…」

「えっと、その、つまり…?」

「あなたに魔女が憑依しました」

「えええーーー!!!!!」


つづく



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