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人間

謎の少女は誰?

部屋の隅に三角座りをしている少女に

恐らく部屋を間違えたんだろうと

俺は教えてあげようとした。


「あの…ここ僕の部屋なんですけど…」


「そんなの知ってるわよ、斎藤愁、あんたの部屋でしょ」


なにこの人、怖いんだが

立ってこっちに来る少女。


「まぁ…この身体じゃわからないわよね

驚くと思うけど、私は猫丸、あんたがつけた名前よ」


「へ?」


「じゃあこうすればわかる?」


少女は少し後ろに下がり

なんと、猫丸になったのだ

あまりの事に、ピカソの絵のようになっていると。


「わかったでしょ?」


あぁわかったよ、これは夢だそうだ

あの男に殴られて幻覚を見ているんだ

そうに違いない。

そして俺は頬をつねった

普通に痛い、これは現実だ。


「なにしてるの?馬鹿なの?」


「うん…ちょっと外出てくる」


外に出て、冷たい空気を吸っていると

少しだけ冷静になってきた。

どうしたものかと 動物 人間になるで

調べていると、ふと眠子間さんとの会話が

脳裏をよぎった。


「猫丸ちゃんって人間性が凄いあるわよね」


「人間性?」


「そう、動物にも人間性はあるのよ

ほんの少しだけどね、でも猫丸ちゃんは凄く

人間らしい」


「なにか起きた時の興奮

楽しいことがあった後の前足をペちっと乗せる行為、素晴らしいわ、人間にできそう」


その時は大して頭に入れていなかったが

今考えると辻褄が合う。


「そういうことなのか…?」


そんなことを考えていると

ドアから猫丸がひょこっと出てきた。


「いつまで外にいるの?お腹すいたんだけど」


「あぁ…ごめん、キャットフードでいいの?」


「なに言ってんのよ、今人間なんだから

人間のご飯に決まってるでしょ」


「はい…」


戸惑いながらも、猫丸が好きな魚を使った

料理を出した。


「なんで人間になったんだ?」


「そ、そんなのなんでもいいでしょ」


プイッと横を向いて言う猫丸。

こっちとしては凄く気になるのだが。


「どうやって人間になるんだ

なんかそういう魔法で?」


「まぁ、魔法ね」


「自分でやったのか?それとも誰かにやってもらったとか」


「それは秘密」


秘密のことばっかだな。

そして食べ終え、寝ようとすると。


「あんたと一緒の布団で寝なきゃいけないワケ?」


「だって布団一枚しかないし

いいよ、俺は床でも寝れるタイプだから」


腰が痛くなるくらいしか支障がないからな。


「フン、まぁ一緒に寝てあげるわよ」


「はい」


「狭いわね、もっと右行きなさいよ」


思った以上に狭かった

猫丸は小さいが俺が半分くらい占めてるな。


翌日


寒い、どうやら猫丸は寝相が悪いようだ

起きたら投げ出されていた。

もう6月だが、まだ寒い日が続いている

今年の夏は暑いだろうか。

この寒い気温の中暖かい布団の中で幸せそうに

寝ている。

猫かよ、猫か。


とりあえず、眠子間さんに電話してみよう。


「もしもし」


「あら愁くん、どうしたのこんな朝に」


信じてもらえるかなぁ、不安だ。


「信じてもらえないと思うんですけど

家に帰ったら猫丸が人間になってたんですよ」


「まぁ」


「そういうことがあったので

なにか知らないかなと思って、電話をかけたんですが」


馬鹿にされそうな気がしてきた。

いきなり猫が人間になったと聞かされたら

普通は大丈夫かこいつって思われるはずだ。


「そうなのね、今度愁くんの家に行っても

いいかしら」


「はい、良いですけど」


「ありがと♪じゃあ明日に行くわね

今日は用事があるから」


今日明日は大学も休みだ

少し猫丸について調べてみよう。


朝食を作っていると、目をこすりながら

猫丸が起きてきた。


「ごはん…なに」


「焼き魚と昨日の残り

お好みで米に納豆かけてもいいよ」


「愁…学校は…?」


「今日と明日は休みーバイトも新人が

レンジ爆発させて店が大変なことになってるから休みだよ」


この前新人バイトが生卵を4個一気にレンジに

入れて爆発してしまった。

幸い客もいない時間帯で怪我人も

誰もいなかったが、店が最悪状態のため

今月は休みになった。


「じゃあ、一緒…?」


「そう、一緒だよ」


朝食を食べ終わると

猫丸が指パッチンをして言ってきた。


「じゃあ散歩に行くわよ」


「今からか?」


「そう、早くして」


「はいよ」


こんな状況で平然を保ってるのが怖い。

だが、人間になっても猫丸は猫丸だ。

ここまで読んでくださりありがとうございます。

面白いと思えば、ブックマーク、評価をよろしくお願いします。


猫丸が可愛い、好き。

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