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3分くらい遅れた!ほんとにすいません。

エマは美人だ、テレビに出ているモデル以上に。それ故に大学内でも人気なので俺たちがエマと一緒にいるのを良く思わない連中もいる。


普通ならあまり気にしないが最近は連中の嫌がらせが増えている。俺にも嫌がらせはあるが、俊隆への嫌がらせが度を越していることが多い。俊隆は人見知りなのでかなりストレスが溜まってそうで心配だ。


携帯電話の無言電話に迷惑メール、一度見せてもらったことがあるが内容は酷いものだった。ブロックしとけよと言ったがそれは可哀想だからできないらしい、なんでだよ。


人と話すことはかなり嫌そうだが嫌がらせの内容自体はそこまで気にしていないようだし、エマは気づいていない、困ったもんだ。


翌日


猫丸を預けるついでに、眠子間さんに俊隆の事について占ってもらうことにした。首から下げた三角形の透明な石を見るというまぁ王道なやり方だな、多分。


眠子間さんが除いて数秒、透明だった石が少しだけ暗く濁り始めた、俺はその間他の動物たちと遊ぶ猫丸を見て癒されていた。


「うーん、黒が混じってるわね」


「はえぇ…?あ、黒が混じっているとなにか悪いんですか?」


「ごめんなさい、私の力ではまだなにが起きるかまではわからないのだけれど、俊隆くんの身になにか悪い事が起きるでしょうね」


俺は良いこと以外占いは信じないようにしているが、ここまで深刻な顔で言われると心配になってくる。


「わかりました、ありがとうございます」


「私の占いを信じるか信じないかは愁くんの自由だけど、頭の片隅には入れておいてね」


「はい」


完全に信じた訳ではないただ、状況が状況なんだ、起きてもおかしくない。俺は緊迫した表情で大学に向かった。門の前には誰かと電話している俊隆の姿


「いや、はい…あの…僕は蕎麦屋じゃないので…はい…すみません…はーい…ふぅ…なんだ、深刻そうな顔して」


人が心配してんのにとぼけた顔をしてるなコイツは。


「今日眠子間さんにお前を占ってもらってさ、今日お前になにか悪いことが起こるらしいんだ」


「お前占い信じるタイプだったのか?」


「いや、完全に信じてはいないよ?ただ、一応」


そう、起きなければそれで良いのだ、起きなければ…こういう時は大体起きないパターンだ。


「まぁ、悪いことは起きてるけどな。今日だけで8件だ」


俺もエマとはかなり絡んでいる。なのに何故俊隆だけなんだ?


「これ、エマが関係してるのわかるよな」


「わかってるさ」


携帯をいじりながら返答する俊隆。次はメールか、毎回返信してるのか、そんなことするよりもっとやることはあるだろうに。


「これを機にエマと離れるとか言わないよな」


言わないだろうが、聞いてみる、興味本位だ。


「言わねぇよ」


「だよな」


俺も俊隆も、エマのせいじゃないと思っている。悪いのは勝手に嫉妬をしている連中だ。話しかけもしないくせに、見ているだけで一緒にいる俺たちに嫉妬をして嫌がらせをするのだ。


エマも最近、初めて会った時より元気になって、服もドレスなどではなく軽装が多くなっている。正直ドレスより似合ってると思う。


そして、帰るまでなにも起こらなかった。帰るまでは。


「今日は遅くなったなぁ…ん?俊隆はどこだ」


さっきまで隣にいた俊隆がいない。トイレもいない、まずあいつは家以外のトイレに入らない、人と会いたくないから。俺も家以外は使いたくない。


「エマ、俊隆知らないか?」


「あら愁様、いえ、存じ上げませんわ」


「おかしいな…」


一人で帰るにしてもあいつは言ってから帰るはずだ。とりあえず電話してみるが出ない


その十分後、知らない番号から電話が来た。


「よぉー…斎藤愁の電話で合ってるよな?」


この声は…知らない。


「すみませんどちら様でしょうか」


「知らねーのか?山本だけどよー」


「知らないです」


「テメーの親友の俊隆は預かったぜー!コンビニの裏路地で待ってるからなー!」


言い終わるとブツっと切られた。いつもなら誘拐など信じずに俊隆を探すだろうが、これはまずい気がする。これまでの嫌がらせと、今日の占い…悪い事とは、多分この事だ。俺は全力で走った、エマの言葉に返答も返さず、全力で。


裏の路地に着くと、そこには強面の男たちが立っていた。


「俊隆は?」


「めっちゃ騙されてんぞぉ?おめー」


「は?」


「その俊隆ってやつはここにはいねーぞ?」


これは非常にまずい、俊隆は別の場所にいて、今の俺は下手すればリンチだ。月下町の夜は治安が最悪、毎日警察がサイレンを響かせて回っている、そして人が少ないコンビニの裏路地…これはリンチ確定か?この前俊隆からもらった超激辛納豆を食べて運ばれて金欠気味なんだから病院行くのは嫌だな。というか殴られたくない。


「じゃあどこだよ」


「さぁな、俺らはここで立ってろって言われただけだからよ」


この人ら人相は悪いけどやばい奴らではなさそうだな、うまくやればなんとかなるか。その時、見慣れた番号から電話がかかってきた。


「愁ー?」


どんな酷いことをされているかとヒヤヒヤして出てみれば、第一声が「愁ー?」かよ、緊張感ないな。


「俊隆!?お前どこいるんだよ!」


「大学の裏の倉庫、お前もどこいるんだよ」


「わかった、今すぐ行くから」


「今から向かわなきゃいけないとこあるから、じゃあな」


俺が帰ろうとするとゴツい男が邪魔をしてきた。


「ちょっとそれはできねーな」


「どいてくれ、今それどころじゃないんだ」


「できねぇってんだよ!」


ものすごい力で殴られた、口を切ったと思ったが、まだ切れてない。こういう時、なぜか変な想像をするもので、これだけ力が強いのはジムなどに行っているからだろうかとか考えてしまう。


「もう殴っただろ、俺は帰るからな」


逃げるのだけは上手い男なんだ俺は、こんな遅い奴らに捕まってたまるかってんだ。


そして、俊隆を見つけた。


「おぉー…きたかー」


どうやら、まだ暴力を振るわれたわけじゃなさそうだ、よかった。俊隆も特に怖がっている様子じゃなさそうだ、いや怖がってるな、超人見知り発動してるな。

ここまで読んでくださりありがとうございます。

面白いと思えば、ブックマーク、評価をよろしくお願いします。


俊隆がやべぇー!

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