名前とご飯
遅れてすいません!
部屋に戻り、猫と一緒に暮らす際に必要な物を調べている。やはりトイレなどの一式は早めに揃えた方が良さそうだな、速達で頼んでしまおう。
頼み終わり、部屋を見渡してみると猫が部屋を見て回っている。寝る場所が必要だなと思うがこの部屋あまり広くないからスペースないんだよな。俺の寝室でいいか、俺の隣で一緒に寝よう。
「さぁ、寝ようか」
って…もう寝てるじゃないか。うわぁ…すっげぇかわいい…やっぱり猫っていいよなぁ…
そして俺は寝る前のルーティンをする、大したことではないが俺は毎日ホットミルクを飲むんだ、これがないと俺は寝られない体になってしまっている。コーヒーも好きだが寝れなくなるのでホットミルクにしている砂糖を小さじ一杯入れて完成だ。口から喉へ、喉から胃へ届く感覚がたまらなく好きなんだ、基本夕食をとってからしばらくしてから飲んでいるが、早い時間に寝る場合は熱々にして飲む、口内を火傷することもしばしば。
飲んだことだし寝るか明日にはトイレとかも届くだろうし、楽しみだと思うと、またニヤけてしまった。
土曜日 朝
朝食の洗い物をしていると俊隆からメッセージが来ていた。「昨日の倍以上のキャットフードやるから部屋にいろよ!」か…荷物が届くまで出かけるつもりはなかったし「了解」と…倍以上か、昨日の時点でかなり多いんだよな。ん?「着いたー」…速えな。
「おはよう……なんだこれは」
「キャットフードだけど」
見ればわかるよそんなん。
「いやー探してみたらめっちゃあったからな、二年は足りるぜ」
リヤカーが必要なほど持ってこなくても…どこから借りてきたんだか…あとここ二階だぞ、どうやって運んできた。まさか後ろ側から押して階段上がってきたんじゃないだろうな。
「で、どうやって入れようか」
「これだけ多いと一つ一つ運ぶしかないな…まったく…骨が折れるわ…」
「まぁまぁ、頑張りましょうぜ愁くん!!」
背中を叩いて笑う俊隆、地元のおじさんみたいな行為をするな。俺はお前みたいに体育会系じゃないんだよな。
うううう…腰痛え〜…十時ごろから運んで…今十二時半か、バイトよりキツかったぞ。
「二時半か、昼俺の部屋で食うか?作るよ」
「良いのか?悪いな」
「キャットフードこんなにくれたしな」
何を作ってやろうかと考えていると、あたかもアイデアを遮るようにチャイムが鳴り響く、荷物が届いたな。
「昼食はもう少し後、悪いけど組み立て手伝ってくれるか」
「いいよ」
また三十分ほどかかったができた、大きめのキャットタワーだ!そして猫のトイレ。全部合わせて一万五千円くらいか、一緒に暮らすためにはまだ色々必要なことがあるから費用はだいぶかかりそう。
「そういえば、猫の名前はつけた?」
「そういえば付けてないな、つけようか」
ここで変な名前をつけると他の人が聞いた時に笑われたりするかもしれん…かといって「たま」とかはありきたりだしな。名前を「コムギ」とか「おむすび」と食べ物の名前をつけるのもよくあるがそれもちょっとなぁ。
「よし!猫丸にしよう!」
良い名前だ、理由はこの猫はよく丸くなるから猫丸だ。
「あぁうん、良いと思うぞ」
なんでちょっと引き気味に言うんだよ。
「猫丸、お前は今日から猫丸だぞー」
そう言って頭を撫でると心なしか、微笑んでくれた気がした。なんだ?この感覚。
「今…猫丸が微笑まなかったか?」
「気のせいじゃないか?」
「…?そうだよな」
ただ微笑んだ感覚ではなく、どこか人間のような感じがした、まるで「ありがとう」と言ったみたいな。
「まぁいいや、飯食おうぜ、なんか食べたい物とかあるか?」
「なんでもいいぞ」
「なんでもが1番困るから決めてくれ」
料理に限らないがなんでもいいは本当に困るからな。まぁ料理上手い人はなんでも美味しい物を作るんだろうけど、俺は高級レストランのシェフでもなんでもないからな。
「ん〜じゃあ炒飯頼む」
悩んだ割に面白くない。
「了解」
普通の炒飯じゃなんかインパクト足りないよな、タバスコ入れてやろ。大丈夫、俊隆は辛党だから、辛すぎてヤバいと言われている激辛ラーメンを普通に食べてるくらいには辛い物好きだ。
「できたぞー」
「おぉチキンライスにしたのか?美味そう」
流石に二本分は入れすぎたか、チキンライスと間違われるくらいに色が違う、これは辛党の利隆でも無理があるか…?俊隆は手を合わせて「いただきます」と言い喰らいつく。倒れるとかはないよな?
「美味いじゃんか!」
「あぁ…良かったよ」
マジか、辛党って怖いな。………辛党の人の台所には激辛唐辛子が大量に置かれてたりするのかな、それとも冷蔵庫に激辛ソースが大量に入ってんのかな。
「お前辛党だけど家になんかある?」
「なんだいきなり、どういう質問?」
「いや、辛党の人間の家にはどんな食べ物があるのかなーって」
「最近は超激辛納豆ってやつを多めに買ったな、味が好きで」
いやそれ食べた人の大半が搬送されてる今物議を醸してるヤバいやつじゃん。味覚を心配するわ。
「今度一つやるよ」
「そりゃどうも」
病院行きが確定したわけで、猫丸にご飯をあげよう。
「はい、どうぞ」
皿にキャットフードを入れると猫丸は俺の手に前足を置いて、ぺちっと叩いてから食べ始めた。これは猫丸なりのいただきますなのかな?猫ってのはこういう事もするんだな。かわいいぜ。
「…俊隆、テレビ出る気ある?」
「えっなんで」
ここまで見ていただきありがとうございます
面白いと思えば、評価、ブックマークをよろしくお願いします。




