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誘拐

間に合いましたなぁ

猫丸はどこでも寝れるんだな

猫だからだろうか、それとも酒のせいか

俺におぶられても幸せそうに寝ている。

正直複雑な気持ちだった

もしゾクカエ小間に会ったとして

どうしようか、俺にはどうすれば良いのか

わからなかった。


俺は勝手に猫丸をゾクカエ小間の被害者に

している、もし猫丸が自ら人間になったのなら

ゾクカエ小間はなにも悪くない。


都市伝説でも、ゾクカエ小間に人間にされた

動物たちは1日で元に戻っているが

猫丸は1週間経っても猫に戻らない。

それはそういうことなのだろうか。


「猫丸は…なんで人間になったんだ?」


寝てるから聞こえないだろうと思い

独り言のつもりだったが

猫丸には聞こえていたようだ。


「むぅ…わかんない…わかんないけど…

愁と、愁と一緒にいたかった…」 


思わぬ返答に、俺の心臓の鼓動は

やけに速くなっていた。


「そ、そうか…」


「愁…今あたしね…猫の時より、幸せ…」


そう言うとまた寝てしまった。


俺の心臓の鼓動は、さっきよりも速くなり

倒れそうなくらいにドキドキしていた。

これは、酒のせいか、それとも猫丸の本心なのか、俺にはわからなかった。


家に帰り布団に寝かしても

俺は落ち着けなかった。

当たり前だろう、あんなことを言われたのだから。


気持ちを落ち着かせようと

スマホをいじっていると、寝室の方の窓が

開いた音がした、その部屋は猫丸が寝ている

俺はいつもよりも心配していた

強盗だったらどうしよう。


「猫丸!」


寝室に着くと黒いコートを着てフードを被った女性が、猫丸を脇に抱えていた。


「誰…」


「んー!んー!」


謎の女性に口を塞がれ、脱出しようと

しているのか、足をバタバタさせている。


「この子は私の子…あなたのものじゃない…」


なにを言ってるんだ、わからないぞ。


「ごめんね…ちょっと苦しいよ」


そう言うと猫丸の首を柔く絞め

猫丸の動きが止まった。

俺はその時怒りを抑えられなかった。

気づいた時には窓のほうに走っていた。


「お前…!」


「安心して、死んではいない」


そう言われた瞬間俺の膝に切られたような

痛みが走り、俺は体制を崩した。


「またね、会うことは無いと思うけど」


「おい!」


窓を覗くと子猫を口に咥えた猫が

家の屋根を走っていった。


「猫?いてぇ…」


痛みを感じた足を見ると

引っ掻き傷のようなものがあった


「なんでだ…それより、猫丸は…」


外を見ても、聞こえたのはは静かな夜に響く

鳥の声だけだった。


とりあえず寝なければ、まだ脳が完全に

理解できていない、明日になっても

理解できる気はしないが。


いつもは隣に猫丸がいたが

今はいない、いつもあったことが

無くなった時の喪失感は計り知れなかった。


翌日


俺はあまり眠れなかった

ずっと猫丸のことを考えていたからだ。

あの言葉を聞いてから、ずっと。


大学にいても、全く頭に入ってこなかった。


「おーい、聞こえてんのか、おい」


眠子間さんが夜に来る

とにかく相談してみよう。

それしかない。


「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉい!!!」


「うわぁぁ!なんだよ!」


急に大きな声が聞こえたので

キレ気味に返してしまった。


「お前がずっと返事しないからだろ!」


「あぁ、すまんすまん」


「どうしたんだよ、元気無いぞ」


「実はな」


俺は夜起きたことを全て話した。

猫丸が謎の女に連れ去られたこと

膝に引っ掻き傷が出来たこと。


「お前それ警察に言ったほうがいいだろ」


「やっぱりなぁ…

正直、今なんでこんな冷静でいられるのか

わかんないな、狂ったのかな」


「いや、お前は全然冷静じゃないぞ

その手の震え様、おかしいだろ」


たしかに、よく見ると俺の手は震えていた。


「どうせ朝飯も昼飯も食ってないんだろ馬鹿め」


「馬鹿は言い過ぎだろ」


「いやお前は馬鹿だ、俺のバカとは違うね

…にしても、これに関しては俺らじゃ

どうしようもない、警察に言うべきだと思うが」


「でも俺が見た時は、猫になって

連れ去られたんだ、猫丸の顔がわかっても

ずっと猫にされてちゃわからないだろ」


「そうだ、猫として猫丸を探せば良いんだよ

元々あいつは猫だ、猫になって連れ去られた

なら、そっちの方が探しやすい」


やはり俺は冷静では無いらしい

いつもならその考えはすぐ浮かぶだろうが

今は頭が働かない。


「そうだな、そうしよう」


「エマにも協力してもらうべきだな

よし、早速行動開始だ」


猫丸…俺は必ずお前を見つけ出す

だから、無事であってくれ。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます

面白いと思えば、ブックマーク、評価をよろしくお願いします。


猫丸ぅぅぅぅ!かわいいよぉぉぉ!猫丸ロスだよぉ

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