第30話「高級な白い粉」
【前回までのあらすじ】
地元に帰って昔の友だちと話した。
□プリンの実家(宿屋)□
ショタ「お邪魔しまーす」
ルン「ただいまー」
プリン「ただいまー……って暗っ。灯りくらい点けとけっての……」
……返事がない。
ルン「まぁ今日お客さん居ないし……でも、なんか変。お母さんいつも返事してくれるのに」
プリン「まだ店長と何か話しこんでる?……やっぱりだ。居間の方が明るい」
ルン「お姉ちゃんといい。大人の話って長いんだね」
プリン「そりゃまぁ、色々とね……おーい、ただいまー」
母「それじゃあ、契約成立を祝しまして!」
母「乾杯!」
男「乾杯!」
父「乾杯!」
プリン「おかえりはどうした?」
ルン「お母さん、ただいま!」
母「あらルン、おかえり……リンも。今度は早いお帰りね」
プリン「別に?ウチ旧友に会いに行ってただけだし」
プリン「んなことより、そっちは何してんの?どういう流れで乾杯をするに至ったの?」
母「あら、それはね……」
男「おっと、ランさん。ここは彼女の上司である私から説明させて下さい」
母「そう?じゃあお願いね」
プリン「どっちでもいいんだけど……」
男「まぁ、話すと大体三言くらいになるんだが」
プリン「短ぇよ。店長が邪魔しなかったらもう終わってんじゃねぇか」
男「气湧花が売れた。そのお代にピクルスのレシピもおまけして付けてくれるんだって」
プリン「二言」
男「仙人も言ってただろ?『樹海のエルフが气湧花の精製技術を持っている』って。んで、この村は外からこの花を輸入して、加工して出来た『白い粉』をまた輸出してそりゃもう儲けているんだと」
プリン「ふぅん。でも、ウチの村にそんな難しそうな技術なんてあったっけ?」
母「あったあった。アンタが生まれる前からあるわよ」
プリン「ウソ!?」
母「まぁ、料理しない子どもにはあんまり関係ないかも知れないわね。でも、お花だけならアナタも採ったことあるわ。ほんと年に数輪しか咲かないけど」
プリン「料理?その粉、料理に使うの?」
父「スパイスみたいなもんだぞ?漬物を漬けるときに、それを少量加えると、より旨味に深みが増すんだ」
プリン「へぇ~……初めて知った」
プリン「……え、でもそんなのが高級なの?」
母「らしいのよ。森の外じゃあ、高級食材って呼ばれてるらしいわ。同じ重さの金と同じ値段で取引されてるなんて話も聞いたわ?……私からすれば、全く理解できないけれどね」
男「まぁまぁ、モノの価値なんてのは人によって異なりますからね」
母「そうね。それで村が儲かるならいいことよ」
母「でも、ちょっと困ったことが起きていてね。一ヶ月前に村に届くはずの气湧花が、盗賊に奪われちゃったみたいなの」
男「それは災難でしたね。まぁでも、その盗賊もどこかで報いを受けてるはずですよ」
母「そう思いたいわね……それにしても助かったわ。これで、上客に売る分の『白い粉』を作られる」
男「上客?」
母「ええ。とってもグルメな方らしくてね。この白い粉の味に特に惹かれたのか、毎回大量に買うのよ。たしか……『味王』さん……だったかしら」
男「ッッッ味王ッ!?」
ショタ「?」
プリン「どうしたっスか店長?」
男「い、いや。こっちの話……だ」
プリン「?」
男「ま、まぁ。そんな話はさておき、せっかくプリンちゃんも帰省できたし、气湧花も売れたし、村の納期の危機もどうにかなったんだ。楽しく酒でも飲もうぜ!」
プリン「……?まぁ、しょうがないっスね。なんかもう父さんも母さんも出来上がってるみたいだし………付き合いまスよ」
こうして、エルフの村の夜は更けていったのだった………
□プリンの実家(宿屋─男の個室)□
男「Zzz……Zzz……」
ガチャッ>
男「Zzz……」
ガサッガサゴソ>
男「うぅ~~ん……」
!?……………>
男「うぉぉ~~~がごごッ…………」
<…………
<ガサゴソガサゴソ……
男「……」
<ガタッ……!!
男「……おいおい、なんだ?……暗くて見えねぇ……誰だ?」
<……
男「……夜伽サービスですか?」
父「私だ」
男「あ、おやすみなさい」
父「まて、話したいことがあるだけだ」
男「……明日でいいじゃないスか」
父「いや、ダメだ。夜のうちに話したい」
男「……?一体何の……?」
父「娘の話だ。娘の上司としての君に話がしたい」
男「ほうほう。それじゃあ、外に出ますか?ここの壁、薄そうだし」
父「いいだろう。しかし、先に一つ、言っておきたい」
男「なんスか?」
父「娘を……解雇してくれ」




