7. 再会
初めて予約投稿してみましたが、出来てるんですかねぇ…
「神様よぉ。 持ち物類は貰えるのか?」
想像していた様な希望で無かった為か、中空で転けそうになる神様であったが、迅の表情を見て即座に態度を改める。
「ええ、それは勿論です。 現在所有しているアビリティに因んで、弓と槍は勿論の事、向こうの世界では持っている方は居ない次元鞄、所謂『あいてむぼっくす』をお渡し致しますね。」
その言葉を聞くと、空を仰ぐ様に上を向き目を瞑る。
少しの間そうしたかと思うと、大きく嘆息し、まるで神様を射抜く様な決意を表す視線を向けた。
「なぁ…。 俺の…俺の銃を、槍や弓に変える事は、出来ねぇか? 俺にはやっぱ、アイツが居ねぇと暴れ回れる気がしねぇわ。」
言葉の意味を理解した神様は、手に木と金属で出来た狙撃銃を出現させ、ゆっくりと、そして確実に伝わる様に言葉を紡ぐ。
「迅さん。 ご安心下さい。 貴方の大事なこのコは、御希望通りにさせて頂きます。 その言葉を待って良かったです。」
神様がその言葉を待っていた、という事に迅は引っ掛かる。
「何で…、アンタがそれを待ってたんだ?」
当然の疑問に対し、神様は応える。
「このコは貴方の愛情を受け、貴方の世界で言う『九十九神』に成りかけています。 もう迅さんが亡くなり、一緒に居られないという思いが急速に膨らみ過ぎ、一気に成熟したのかもしれません。 このコの思いを知ってしまった為に、何とかしたかったのですが…もし迅さんが私の言葉でスッパリと諦めてたらと思いまして…つい手元に召喚して…。」
安心したのか思わず座り込み、大きく溜息を吐いた。
「そいつぁ良かったぜぇ…。 イイ時も悪ぃ時もずっと一緒だったんだ。 それこそ先に逝っちまったカカァより長い付き合いなんだ。 ありがとよ、神様!」
不安が晴れ、憑き物が落ちたかの様に元気になった迅。
その様子に神様も思わず顔が綻ぶ。
「まっかせて下さい! このコの状態を見る限りですが、すっごい武器に生まれ変わりますよ!」
鼻息荒く、神様も気合を入れる。
神様の言葉を聞いた迅は、ニヤリと笑ったかと思うと、即座に何かを思い出した様な素振りを見せた。
「あー、神様よぉ。 その、何だ。 最後にちっと、中空で構わんから撃たせてもらえたり、出来んか?」
頬を指で掻き、照れてる様なバツの悪い様な素振りを見せる。
神様も理解していたのか、首肯して両手を差し出した。
どうしたのかといった面持ちで迅が掌を見ると、愛術のモノと思しき弾丸がそこにはあった。
「用意していて良かったです。 ただ、この銃はとても古いモデルの様で、この6発だけしか集まりませんでした…。」
申し訳無さ気に言う神様の両手を、迅がふわりと包む。
「多分俺んトコにあったモンだろう。 コイツを使ってんのは、古今東西広しと言えど俺くらいなモンだ。 薬莢は修正しながら使い回し、弾頭から火薬までは自分で作ってたからな。 世界中でこの6発しか残ってねぇんだよ。」
自慢気に、そしてとても嬉しそうに顔を綻ばせて自身の相棒の一端を説明する。
身体が20歳になったせいか、老人の時よりも愛嬌がある笑顔だ。
「本当、ありがとな。 こんな神聖な空間だろうけど、遠慮無く別れの挨拶をさせて貰うぜ。」
そう言って神様から受け取った銃に、受け取った弾丸を込めた。
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