3. 合致した結果
短めの話が続きます。
テンポ悪くて申し訳…。
「真田 迅さん。 貴方でなければならない理由ですが、まず第一にその戦闘技術・能力です。 今から第二の人生を歩んで頂く予定の世界は、貴方が生きてきた文化とまるで違う…それこそ貴方の仰る『げぇむ』の世界の様な世界です。」
その言葉を聞き、迅と呼ばれたご老公は髭を蓄えた顎に手をやり考える素振りをする。
神様は、その一挙手一投足を見つめるが、そのまま続きを話す。
「その世界では、恐ろしく命の価値が低く…残念ながら、身を守る術を持たない者は色んな形で淘汰されていく世界なのです…。」
ふむ、と一声零し、神様の言葉を聞き続ける。
「第二に『醸成された魂の持ち主』でなければなりません。 要約すると、『善悪の判別をしっかりと区別出来、自らも善悪両極の行いを生前にし、それでいて寿命を全うした魂』という事です。」
「小難しいな。 要するに悪ぃ事を叱れて、イイ事は褒められて、自分も同じ経験がある上で殺害や刑罰・自殺等で死んでなきゃあ、イイっつー事だな?」
迅は自身の解釈を伝えると、神様は首肯する。
「基本的にはその解釈で問題ありません。 二番目の条件に当てはまる方は沢山居られたのですが、一番目の条件との両立がとても難しくて…」
そう言うと神様は俯き、また申し訳なさそうな表情に変わる。
大きく溜息を吐き、頭を掻きながら迅は口を開いた。
「一回一回面倒くせぇ神様だな。 条件次第だが、とりあえず断りはしねぇから安心しろって。 他には選考条件は無ぇんだな?」
驚きで跳ね上がる様に頭を上げ、神様は目を丸くする。
「ほ、本当にやってもらえますか!?」
「言ったろ? 条件次第だ。」
その言葉に満面の笑みを浮かべ、ガッツポーズをとる神様。
それで神様的に良いのか、と言いたげな目で、迅はピョンピョン飛び跳ねる神様を幼き頃の孫達や曾孫達を見る目で見守った。
御覧頂き、ありがとう御座いました!