執事の家庭事情part5
重くなりそうですが、
大目にみてください。
朝起きると、メリーが胸を触っていたので、手をずらして氷を固める。そして、頭の下に置く。すると、飛び起きた。
メリー「冷たっ!何すんだよ!」
ラナ「少し、嫌な思いをしたのでお返しです。」
メリー「は!?」
ラナ「貴方私の胸触っていたよ?ふっ、朝から破廉恥な男だねぇ。」
メリー「あー、だからか。」
ラナ「何が?もしかして……!」
メリー「そのまさかだよ。感覚が残っているんだよ。」
ラナ「はぁ!?死ね!」と
言い、炎魔法を発動しようとすると、ライさんが入ってきた。
ライ「こらこら、人の家を燃やそうとするんじゃないよ。」
ラナ「安心して、結界張ってるから。」と、
興奮さえ切らぬまま、言う。
ライ「こら!今から魔力使うってのに、無意味な消費しないで!」
ラナ「大丈夫だって!魔力は溢れているから。」と
顔に青筋を浮かべながら、言った。
メリー「ほんとにごめんって!だから、魔法攻撃だけは辞めて!防御魔法あんまり鍛えてないから!」
ラナ「うーん。ならば許してあげるよ。本当に反省してるね?」
メリー「はい!」
メイド「あのぉ、朝食の用意ができましたよ?」
ラナ「すぐ行くわ。」
一騒動終わると、急にどっと疲れが来た。はぁー。
大広間に行くと、やはり、皆集まっていました。
皇「おはようございます。よく眠れたようで……。」
ラナ「お陰様で。」
皇「でも、何かあったんですか?」と
言われた皇さんに、何故?と聞くと、意外な事を言われました。
皇「結界が貴方の部屋に張られたようでしたし。冷気を感じたので。」
ラナ「貴方……何者ですか?」
皇「恥ずかしながら、魔法は使えないけれど、使われると頭に入って来るんですよ。情報が。」
ふーん。無意識な認識魔法か。
ラナ「それは魔法です。きっと、貴方は結界を使えるようですよ。結構強力な結界が家に張られていましたし。無意識って言うのは、膨大な魔力を消費するのですが、貴方の家族を思う気持ちがそうさせたようですね。」
ライ「突発的な魔法。珍しくも無いですね。息子が魔法を持っていたら、可能性が、高いというアレですね。」
ラナ「そうそう。」
そうして、喋りながら、食べていると皆完食したようです。
樹里「では、どうしたらいいのでしょうか。」
私は、ライさんに目線を送ると、ライさんも気付いたようでした。
ラナ「ここには、大きな天井の高い施設などは有りますか?」
皇「それなら、何故か先代からずっと受け継がれてきた、教会がありますよ。」
ライ「なるほど。では、癒藍さんをそこに運んでください。それで、少し待っていてくださいね。」と
ライさんが言うと、皇さんはしっかりと頷いて、一度解散。という事になった。
よし。じゃあライさんの所に行きましょうか。
ラナ「ライさん。ちょっと来て下さい。」
ライ「えぇ、分かったわ。外で少し待っていて。」
そして、私が外に出ると、メリーが着いてきた。
ラナ「来ない方がいいと思いますよ?メリー」
メリー「いや、ちょっとだけね。」と
言った途端壁に私を押し付け、ドンッと壁に手を付くメリー
ラナ「あ?何してんのメリー?」
メリー「ん?ちょっと目を閉じて。」
言われたままに目を閉じると、唇に違和感が。はぁ、リールド王国の人達はキスが好きですね。
触れるだけのキスをすると、メリーは手を振って「無理しないでね?」と言い、戻って行きました。
自分勝手だなぁ!
そして、外に出てラナさんを待っていると、ラナさんがニヤニヤしながら近付いてきた。
ラナ「私見たよ?仲良くしてるみたいで、お義姉さん嬉しいな。」
ラナ「不可抗力ですから、ノーカンですよ。それより、今はその話じゃないんですよ。体調は大丈夫か。という事を聞きたいのです。」と
言うと、ライさんは気まずそうに言った。
ライ「実は少し体調が優れないの。咳が出ていてね?でも、大丈夫だ……ラナ「大丈夫じゃない!もし、ライさんが魔力を使って死んでしまったらどうするんです!大切な人がいなくなるのは嫌なんです!お願いですから……いなくならないでください。」大丈夫よ。ラナ。私はそんなに、やわじゃないわよ。安心して?でも、もしもの時は、宜しくね。」と
泣く私を抱きしめるライさんの優しさに涙腺が壊れたように、涙が溢れ続けます。暫く泣いて落ち着いた途端、メイドさんが、出てきて、
メイド「天皇陛下がお呼びです。」
この声に私は、キリッと前を向き、
ラナ「分かったわ。ありがとう。戻っていいわよ。」と
カッコ悪い姿を見られないように。そうすると、メイドさんは、ニコリと微笑んで去っていった。
ライ「じゃあ、行こうか。」と、
さり気なく手を繋いでくれたライさんの手を握り返しながら、教会へと歩みを進めた。
教会につくと、皆待ち構えていた。メリーだけ、私の目の腫れに気づき、顔をしかめていた様だが。
ライ・ラナ「では、始めますよ。」と、
私たち二人は癒藍さんの体に手を置いた。そして、目を開けていた癒藍さんに、気絶魔法を掛けて、眠らせた。私達は意識を癒藍さんに集中させ、目を閉じ、呪文を唱える
〃神よ私に力をそして、この者を癒してください!〃
そうすると、癒藍さんと私達の周りを白い光が包む。そして、光の中で声が聞こえてくる。
神「本当にこの者でいいんだな?そなたも危ないようだか……」と
言った、神様がライさんを白い指で指さす。驚いてライさんを見ると、汗をかいて苦しそうにしている。
ラナ「え!?ライさん!」と
声を掛けると苦しそうに、
ライ「少し、疲れた……だけ……ょ。」と
言い、倒れてしまった。
嘘でしょ?ライさんの生命の光が消えかけてる!?腹を括って、神様に言う。
ラナ「神様。少々お待ち頂けますか?これは、二人用の回復魔法ですから、一人では、使えませんからね。」
神「いいが、魔力は大丈夫か?」
ラナ「ご安心下さい。私、魔力の多さにだけは自信がありますから。少し、此処で待っていて下さい。一度外に出ますので。」
神「ああ。待っていよう。」
その返事が聞こえた瞬間に外に出て、ライさんの心臓に向けて、回復魔法を放つ。それは、ナイフのような形でライさんの胸に刺さると、呑み込まれていった。メリーは何か言いたげだったが、無視して、目の前のことに集中して、考えた。二人用の回復魔法で、魔力の消費が激しいが、今の私なら行ける!良し。
この形の回復魔法は時間が掛かるから、メリーに見ていてもらおう。
ラナ「メリー!ライさんを見ていてね。宜しく!」と
言い、私は光の中に駆けて行く。そして、再び中に入ると神が必死に、癒藍さんを支えているのが見えた。
神「おい!やばいぞ、コイツもう、天界からの迎えが来そうになってる!速く、魔法を!」と、
叫んだ途端神様に、
ラナ「神様どいて!早く!」と、
言い急かし、神様が退いた瞬間に膨大な魔力を使う魔法を発動する。その名は蘇生魔法。
最高神の力を借り、癒藍さんを生き返らせるというものだった。流石の私の魔力も切れるかと思ったが、切れなかった。ただ、ひたすらに私は光り輝いているだけだった。それを見て、神様が言う。
神「お前……何者だよ!お前、俺より魔力が多い。いや、お前は神の類だな?」
ラナ「その話はおいおいしましょう。では、月読君、さようなら。」と、
言い、白い光を消した。いや、シャットアウトし、神を世界に戻した、という方が正しいかもしれない。
私は無意識口が動いていた。きっと、最高神様が私の事を庇ってくれたんだね。ありがとう。
こうして、癒藍さんは身を覚まし、その可愛い声で皆に声を掛けていた。
そして、私、正しくはライさんも含まれていたが、ありがとう。と一言言って微笑んでいた。その笑顔は今まで見てきた笑顔の中で一番綺麗だった。そして、その笑顔を見ると、安心して眠りにつくことが出来た。
その瞬間、メリーが受け止めてくれて、叫んでいたのを覚えている。
一時は死んだと勘違いされていたらしい。全くいい迷惑ね。
目が覚めると、メリーに口付けされて、ビックリしたが、私は笑って、
ラナ「帰ろうか国に。」と
口走っていたらしい。そして、国に帰るとお父様に、すごい心配されて逆にウザかった。
次回
久しぶりにリールド王国を訪問すると、
三人が問いつめてきて……?
(最高神は天之御中主神の予定です。それと、回復魔法には、神様の力が用いられます。)