執事の家庭事情part3
キャラが保てない
今日この頃。
やっと辿り着いた、日白。だが、今私はパラレルワールドにいる。何故かと言うと……。
ライ「外に出たくないー。絶対やだぁー」と
こんな感じにライさんが駄々をこねているからである。
ラナ「でも、日には当たった方が良いよー」
ライ「絶対やだ。メリーを連れていきなさい。」
ラナ「もー、しょうがないなぁ。でも、メリーは要らないよ!一緒に歩いてたら怪奇の目を向けられるだろうからね。」
メリー「失礼だな!?」
ラナ「オホホ、ホントのことを言ったまでですのよ。」と、
馬鹿にしながら言うと、メリーはこちらを睨んでいる。だって、紳士が横で歩いてるってムカつくでしょ?……
あれ?メリーの話し方が何か違うな。あれれぇ?
ラナ「メリー?話し方どうしたの?」
メリー「あっ!あちゃー。油断したぁ、もう!ライ姉様のせいだからね?」と、
拗ね始めるメリーって言うか、
ラナ「あっ!早く行かなきゃ!じゃあ、またねぇ。」
また手を振り返してくれることにちょっとの幸福感を感じながら、戻ってくると皆は何かの部屋でくつろいでいた。
ラナ「ねぇねぇ?今何待ってんの?」と、
適当なところに問いかけてみると、蓮が答えてくれた。
蓮「ここは、応接室。部屋に荷物を持って行ってくれてるから、ちょっとお待ち下さい。だそうです。」
ラナ「ふーん。ありがとう。で、例のお姉様はどこに?」と
問いかけると、答えてくれたのスタイルが良く、ハーフっぽいお姉さんでした。
蓮「お母様。終わったんですか?」
へぇ、お母さんかぁ……若く見えるなぁ。
ラナ「私はカリア王国第一王女ラナと申します。本日はお招き頂きありがとう。瀧牙達はとても良く働いてくれて、助かっているの。」
樹里「私は篠崎 樹里と言います。天皇の后、言わば皇后です。貴女達が来てくれて嬉しいわ。これで、癒藍が苦しまなくて済むのと思うと、嬉しくて仕方なかったの。宜しくね。それと天皇は、皇と言います。今は、少し部屋にこもっているけど、夕食時になったらひょっこり出でくるから心配しないでね。」
今の内にメリーとライさんには出てきてもらわなくっちゃ。よし。もう出てくるね。
ボンッッッ
メリー「?」
ライ「えーもう時間なの?て、言うかこの人は皇后さんですか?」
ラナ「うん。皇后の樹里さんだよ。夫の天皇さんは、皇さんだって。」
ライ「なるほど。私はリールド王国第一王女ライと申します。お招き頂き感謝します。ほらっ!メリーも。」
メリー「う、うん。リールド王国第四王子メリーと申します。これから宜しくお願い致しますね?」
樹里さんに、メリーとライさんは無言でお辞儀をしていた。
蓮「では、自己紹介が終わったところで、行きましょうか。」
蒼「我が姉、癒藍の所へ。」
瀧牙「俺が前を行くよ。」と、
廊下に沈黙が流れる。そしたら、樹里さんが、
樹里「そんなに難しく考えないでね?張り詰めていても、失敗してしまっては、終わりですからね。」と、
微笑まれた樹里さんは、何処か悲しげだった。
癒藍さんの部屋は三階の真ん中の部屋。ドアがもう大きいね。
ガチャッッ……。
そこで私が見たものは色々な針が体に刺さっている、金髪美女の姿でした。血の気こそ引いているものの、かろうじて、息はしているようでした。こうやって見ると、トク…トク…トク…トクと心音が聞こえてきます。そして、蓮と蒼と瀧牙が癒藍さんに、近づき涙を零しました。
瀧牙「癒藍……。やっと、自由に外で走り回れるぞ?良かったな。」
蓮「やったね。姉ちゃん。」
蒼「……考えていたことをもう少しで実現できるよ。お姉ちゃん!」
皆、想いを癒藍さんにぶつけている様でした。その瞬間、ピクッと癒藍さんが起きました。
癒藍「お母様?この人達だれですか?」と
警戒心むき出しで仰る癒藍さん。
ラナ「私はカリア王国第一王女ラナと申します。貴方の病を治しに来たのです。」
ライ「私はリールド王国第一王女ライと申します。私も、貴方の病を直しに来たのよ?安心して、私たちの魔法は銀河一すごいんだから。」と、
言うライさんに思わず笑みがこぼれます。
ラナ「まだ一緒にやった事ないじゃんか。」
ライ「あれ?そうだったっけ?まぁ、いいや。私達のことは気軽になんとでも、呼んで?宜しくね。」
ラナ「同じく。宜しくね。癒藍ちゃん。」
癒藍「ほんとに治してくれるの?」
ラナ・ライ「うん。約束するよ。」
樹里「体調は大丈夫?癒藍?」
癒藍「大丈夫だよ、お母様。」
樹里「では、また明日。」と言い、樹里さんは去っていった。きっと今日は夕食まで解散なんだろう。
ラナ「ライさん。何して過ごします?」
ライ「あー各自自由行動かな?あ、でもグループ分けしようかな。勿論私が決めるけどね。」と
言われ、メリーとだけは嫌だと思ったのが最後。
ライ「そうねぇ、ラナと、メリー。ユリカさんと、蓮君。エリカさんと、蒼君。で、瀧牙は私と一緒にお茶しましょ?」と、
仰られた途端に瀧牙以外は苦い顔をしました。
ライ「ふふ。どうしたの?文句は無いでしょう?じゃあ、ラナ?あの部屋瀧牙君と一緒に送って頂戴?」
ラナ「はいはい。でも、うちの執事達の呼び方は呼び捨てでいいと思うよ。ね?」と
三人の方を振り向くと頷いていた。
ライ「じゃあ、お言葉に甘えて。じゃあ、楽しんでね。」と、
笑顔で瀧牙と共にパラレルワールドに帰って行った。
ラナ「はぁ。じゃあ夕食時になったらまた、会いましょう。」と
言うと皆はまばらに何処かに散った。
メリー「僕……コホン。私達はどうしますか?」
ラナ「もう僕で良いわよ?……うーん、でも何しようか。ああ、そうだ。一緒に魔法を勉強しましょう?」
メリー「おお、なんか楽しそうだね。やるやる!」と
言うことで魔法教室(出張版)が始まりました。
次回
魔法をメリーに教えているとちょっとしたハプニングが……。
そして、癒藍を救えるのか!
乞うご期待!