私が見守る魔王な姫様の憂鬱
姫様の御名はヘリオスローザ。
太陽のように燃え盛る、赤い御髪の持ち主です。
そして魔王領を総べる、偉大な魔王陛下でもあらせられます。
最近、姫様の御様子が変です。
表情は曇りがちで覇気に欠け、憂鬱そうにため息ばかりこぼしています。
姫様はいま、花々が咲き誇る架空庭園の東屋で、お茶の時間です。
冬眠から覚めたばかりの小妖精達が、花壇を飛び回りながら戯れています。
そんなうららかな春の景色にも、姫様は見向きもしません。
テーブルの上に置いた水晶球を、頬杖をついてぼーと眺めているだけです。
一体の小妖精がフワフワと飛んできて、姫様の頭の上に留まりました。
「なあ、人生ってなんだろうな?」
小妖精に髪をいじられながら、姫様が呟きます。
「さて、私には分りかねますが?」
姫様がご覧になっているのは、遠見の水晶のようです。
こっそり覗き込んでみますと、若い男女が映し出されています。
廊下の隅で逢瀬を楽しんでいる様子を、実況中継しているようです。
魔族の男は見覚えありませんが、獣族の女性は姫様の侍女の一人です。
「この子もそろそろ嫁入りかなあ」
姫様がぼやくのを聞いて、状況を理解しました。
なるほど、いつものご病気のようです。
私は姫様を励まそうと、力強く告げました。
「ご安心ください姫様。すぐさまこの不心得者達を一刀両断で成敗して参りますから」
「いきなりなにを言い出すのだそなたは!?」
姫様が急に頭を起こしたので、驚いた小妖精が御髪にしがみつきました。
「実は先月より、この魔王城内では恋愛沙汰がご法度になっておりまして」
「知らんぞなんだその滅茶苦茶な規則は!」
「若い男女の仲睦まじい姿は、姫様に劇毒でしょう?」
「――――おいなにを言っている」
「結婚にもっとも遠い魔王陛下と敬愛されている姫様ですが」
「え、余はそんな風に言われているのか?」
「もちろん悪い意味ではございません」
「悪い意味だろ、どう解釈しても」
「言い寄る男がいない程にお強いという意味です」
なにしろ求婚魔族一〇〇人を返り討ちにした姫様です。
その武威を畏れ敬っても、妻に望む命知らずはおりません。
「ですが姫様は婚期の遅れを気に病んでいるご様子。ならば城内で恋愛を禁止し、結婚を連想させるキーワードは一切禁止にしました」
「余計なことすな、頼むから」
姫様がさらに落ち込んでしまいました。おいたわしいかぎりです。
こんなとき、姫様の御心を晴らすのも私の役目です。
ふとアイディアが思いついたので、姫様に提案してみました。
「姫様? 気晴らしに反乱鎮圧などいかがでしょうか?」
「…………」
姫様は無言です。ただぴくりと、眉が動きました。
小妖精は姫様の御髪に絡まり、もがいています。
それを見て、天啓のごとく閃きました!
「姫様! あたらしいヘアスタイルを思いつきました! 小妖精を頭に乗せたまま、姫様の御髪で編み込むのです! 愛らしい小妖精と姫様の赤い御髪のコントラスト! 斬新なデザインです!」
これは流行りますよきっと!
「可哀想だから禁止だ――――それよりも反乱だと?」
「え、あ、はい? ああ、二週間ほど前から軍の一部が武装蜂起して西の砦に籠城しております。散策がてら鎮圧されてはいかがと思いまして」
「…………そうか」
姫様は頬杖を止め、カップを取ってお茶を飲みました。その流れるような動作の、なんと優美なことでしょう。うちの姫様には、隠しきれない気品があります。
「そなたのお仕置きは後回しにするとして」
「いきなり理不尽なことを仰る姫様、さすがは魔王陛下です」
「いや、反乱の報告がこんなに遅れたら、普通に懲罰ものだからな?」
◆
そして姫様と二人、反乱軍が占拠する西の砦に向かいます。
姫様の出陣を告げると、文官どもが大騒ぎして姫様を引き止めようとしました。
まったく! 姫様の御意に異を唱えるばかりか、せっかくの気晴らしを邪魔しようなどとは!
姫様が許可して頂ければ、全員のそっ首を刎ねていましたのに!
姫様が足を止めたのは、小間使いが持ってきたお弁当を受け取った時だけです。
出立を決めてからのわずかな時間で、お弁当を用意させた女官長の手際は見事と言えるでしょう。
「反乱の首謀者はあいつか?」
「はい、べレスフォードめにございます」
空を飛翔して現地に向かいながら、詳細について報告します。
「…………またあいつか」
「はい、またあの者にございます」
姫様は深々とため息を吐きました。
「懲りないというか。この季節になると決まって騒ぎを起こすな、あいつは」
「そうですね。あの者の反乱の報告を聞くと、春の訪れを感じます」
「いやな風物詩だ」
「まったくでございます。シスシスも、あのような馬鹿に嫁がなくても」
べレスフォードと結婚した、姫様お気に入りの侍女の姿を思い浮かべます。
結婚した彼女は職を辞し、主婦業に専念しています。
「しょうがないだろ? 本人はあいつが良いと言い張ったんだから」
侍女達の多くを、姫様が手ずから育てられました。だからでしょう、彼女達が嫁ぐと、娘に先を越されたような、なんとも複雑な心境になるそうです。
寿命の長い魔王の系譜に連なる姫様は、そうして何十人も侍女を見送ってきたのです。
「というかあの馬鹿! 新妻を残してなにを遊んでいるのだ!」
反乱の報にも平静でいた姫様が、怒りを露わにします。
よほどお怒りになったのか、眼下に件の城砦が見えると急降下されました。
周辺地域を守る要衝として築城され、最大で三千の兵士が籠城可能。
城壁が幾重にも取り巻く砦は、国内屈指の防御力を誇るそうです。
姫様は城砦内部に直接乗り込まず、まず正門前に降り立ちました。
見張りが騒ぐ中、姫様が吼えました。
「べレスフォードの馬鹿を出せ!」
声量もさることながら、そこに込められた膨大な魔力。
城壁全体がびりびりと震え、漆喰がバラバラと剥がれ落ちました。
それでようやく、姫様が何者であるか理解したのでしょう。
見張りが何事かを叫んで駆けずり回り、城壁の上に次々と兵士達が上がってきます。
鈴なりに並んだ兵士達は、姫様の姿を認めると剣や槍をかざして歓声をあげます。
その声は伝播して、城砦全体に響き渡ります。
「魔王陛下バンザイ!」「偉大なる我らが王よ!」
「「「太陽の薔薇に栄光あれ!!」」」
怒号のような歓呼の声に、姫様はうんざりしながら手を振ります。
「…………毎度のことながら、こやつらは誰に反旗を翻しているんだ?」
「姫様では?」
まあ、仰りたいことは分かります。
軍に所属する魔族は、基本的にノリと勢いだけで生きるおっちょこちょいが大多数です。
その武威に心酔するがゆえに、本能のまま姫様に戦いを挑みたがる馬鹿が大勢います。
やがて居並ぶ兵士達の真ん中、正門上の城壁に、ひときわ背の高い偉丈夫が立ちます。
黄金の鬣に獣の相貌、黒い鎧に身を包んだ獅子神王の末裔。
八旗将の一人、べレスフォードです。
「おいこら来るのが遅いじゃないか陛下! 待ちくたびれたぞ!」
「あやつの首を刎ねる許可を下さい。陛下に対する雑言、聞き逃せません」
あやつのデカい図体に、中身のない頭など必要ありません。むしろ無い方がスッキリします。
「あやつの口が悪いのはいつものことだ。たまに辛辣なそなたとどっこいだぞ?」
「そうでしょうか? 私は言葉遣いには気を付けているつもりですが」
「それは慇懃無礼と言うんだぞ?」
姫様は腕を組むと、ベレスフォードを睨み上げました。
「それで? 今度の反乱の理由はなんだ!」
姫様のご下問に、べレスフォードは不遜な態度で耳をほじくります。
「ああ、それな? 最近、新参者や成り上がりどもが幅を利かせやがって面白くねえんだよ」
あまりにも下らない理由に、姫様が呆れ返ります。
あのバカが言っているのは、去年の暮れに発表した、軍の人事の刷新についてでしょう。
血統だけの無能な武将を閑職に追いやり、実力人望に優れた者を引き上げました。
当然ながら軍の反発を予想していた姫様ですが、その急先鋒にベレスフォードが立つとは思わなかったのでしょう。
「――――魔王軍は、年功よりも実力を尊ぶ、それだけの話だ」
「青二才やらヒヨッコどもがデカいツラをしてうざいんだよ」
「誰に入れ知恵をされて、そんなセリフを吐いているのか知らんが」
もう相手にするのも面倒になったのでしょう。姫様は言葉を投げつけました。
「新参者とか青二才とかひよっことか、ぜんぶお前のことだからな?」
「へ?」
遠目にも、ベレスフォードの間抜け面がキョトンとするのが分かりました。
認めたくはありませんが、ベレスフォードの武力は並み居る諸将の中でも群を抜きます。
五代前の魔王と覇権を競い、敗れ去った獅子神王の末裔は、長らく不遇をかこってきました。
しかし姫様は過去の因縁にこだわらず、あの馬鹿を軍の最高位である八旗将に引き立てたのです。
おそらく軍の内部で不満がこじれた末に、ベレスフォードに話が漏れたのでしょう。
姫様に歯向かう機会があれば、すぐにしゃしゃり出て来るのがあの馬鹿なのです。軍内部の不穏分子も、不満の象徴そのものであるベレスフォードに割り込まれ、頭を抱えているでしょう。
「まあ、そんなことはどうでもいい。とりあえず」
姫様の頭上に、巨大な火球が膨れ上がりました。
魔力の発動も予兆もなく発生した小さな太陽。
城壁の兵士達が驚く様子が、手に取るように分かります。
「余を見下ろすとは、無礼であろう」
火球はひゅるひゅると放物線を描いて飛び、爆音と共に正門を破壊をしました。
しかし、痩せても枯れても八旗将とその配下達です。
「ウオオオオオッ!」
味方を鼓舞する獅子神王の咆哮と共に、べレスフォードが崩れる瓦礫から飛び出します。
さらに崩れる城壁から、次々と飛び降りて突撃する武将や雑兵達。
べレスフォードが大剣を振りかざし、姫様の眼前に迫りました。
「いくぜ陛下!」
「やかましい!」
姫様は打ち下ろされた大剣を、真っ向からおでこで受けました。
すると大剣が真っ二つに折れ、くるくると回りながら宙を飛びました。
「とっとと女房のところに帰れ!」
姫様が怒鳴り、驚くべレスフォードの腹に拳を叩き込みました。
馬鹿の巨体が宙を飛び、後続の配下達を巻き込んで崩れた城壁の中に叩き込みました。
その後、姫様は立ち向かってくる諸将雑兵達を、ちぎっては投げちぎっては投げます。
そして彼らが立ち上がる気力がなくなるまで、叩き伏せてしまいました。
「――――益体もない」
姫様は最後につまらなさそうに、そして寂し気に呟かれました。
それから姫様はお弁当を食べ、帰還の途に着きました
◆
どうやら姫様は、不完全燃焼だったようです。
出かける前よりもさらに不機嫌になり、城に戻られました。
そんな姫様におもねった文官達が、鎮圧の祝いだと宴会を企画しました。
そして三日後、城の大広間で盛大な祝勝会が催されました。
姫様の武勲が称えられた後、大量の酒と料理が運び込まれ、飲めや歌えの大騒ぎです。
「魔王陛下バンザイ!」「我らの王に栄光あれ!」
無礼講の大宴会で、ひときわ騒いでいる連中がいます。
そいつらは包帯でぐるぐる巻きにされ、傍目にも大怪我を負っているのが分かります。
さかんに姫様がどうやって反乱を鎮圧したか、自らの怪我を誇示しながら語っております。
そう、反乱を起こした張本人達です。
姫様の武勲を語るのに、我らが参加にしないでどうすると強引に宴会に割り込んできたのです。
この腕は姫様に折られたとか、吹き飛ばされて腰を打ってまともにあるけないとか、口々に自慢しております。
そんな彼らを、玉座に座った姫様が苦虫を噛み潰したような顔で見下ろしています。
「言いたい放題だな」
「煩わしいのでしたら、今からでもそっ首、刎ねて参りますが?」
「まあ、放っておけ。たまにああやって発散させてやらねばな」
姫様が魔王に就任してからこの方、諸族間での争いがめっきり減りました。
そのせいで血気にはやる連中は戦功が立てられず、不満が蓄積します。
彼らのうっ憤を晴らすために、わざわざ姫様が出向いて反乱を鎮圧しているのです。
しかし姫様の憂鬱は、一向に解消されないようです。
姫様は脚を組みながら、深々とため息を吐きました。
「どうなさいました?」
「…………いや、シスシスのことがな」
この場にべレスフォードはおりません。
他の者に比べるとかなり重傷を負った彼は、城の一室で療養中なのです。
宴会の前、彼の妻であるシスシスが城を訪れました。
心配そうな彼女を見て、姫様が自らべレスフォードの部屋に案内しました。
シスシスは激怒してべレスフォードを責め、姫様にはさかんに謝罪しました。
気にするなと告げた姫様は、二人っきりにしてやるため部屋を出ました。
扉を閉める前、姫様はこっそり中をご覧になりました。
シスシスがべレスフォードに縋りつき、泣きじゃくっておりました。
姫様の前では気丈にふるまっていましたが、よほど心配だったのでしょう。
べレスフォードが困ったような顔で、不器用に妻を抱きしめておりました。
「…………結婚かあ」
その時のことを思い出したのか、姫様がうらやましそうに呟きます。
そうですか、それほどまでに結婚をお望みですか。
「お任せください、姫様!」
「へっ?」
「そなたら、姫様が婿をお望みだ!」
私は城中の隅々までに声を響かせました。
「これより陛下が婿をお選びになる! 観念してそこに直れ! なお自薦他薦もありだ!」
「やめんかこのバカモノがあああああ!」
束の間、広間が静まり返りました。
次の瞬間、名状しがたい狂騒状態になりました。
錯乱した武将達が窓に駆け寄り、次々と飛び出していきます。
その窓は断崖絶壁に面しています。地上に落ちた武将達の悲鳴が聞こえてきました。
身体能力に劣る文官達は、出口へと走り出しました。
すぐに大混雑がおき、文官達は必死になって他人を押しのけて逃げようとしました。
その時、出口に殺到した文官達を、怒涛のごとく広間に駆け込んだ一団が蹴散らしました。
悲鳴をあげる文官達を踏みにじった一団は、ずらりと姫様の前に整列しました。
「「「姫様! ぜひとも私めを婿に!!」」」
「ご覧ください姫様! よりどりみどりですよ!」
「…………みんな女だけどな」
たしかに、広間にやって来たのは侍女に小間使い、給仕などを務める城の女性達です。
「なにか問題でも?」
それに答えず、姫様は最前列に立つ燕尾服の人物に視線を向けました。
まさにこれぞ執事といった立ち振る舞いながら、赤い唇には色気にあふれています。
「そなたもか、女官長」
男装の麗人は、控えめな笑みを浮かべました。
「お許し頂ければ、明日にでも男体に変態してまいります」
雌雄同体の淫魔は、そう告げると深々と一礼しました。
姫様は天井をあおぎ、呻き声をあげました。
せっかく集まった希望者達を、姫様は言葉を尽くして宥め、仕事に戻してしまいました。
それでも三人だけ、頑として居残りました。
小間使い見習いの子供達です。彼女達は婿になりたいわけではないそうです。
「「「へーか、わたしたちをおヨメさんにしてください!」」」
◆
「幾多の試練を乗り越えた勇者は、ついに魔王の城にたどり着きました」
うららかな陽射しが降り注ぐ架空庭園で、姫様が例の三人の子供達を相手にしていました。
魔族、獣族、ヒト族の少女達です、
お嫁さんにできないと言い聞かせたら泣きじゃくったので、今日はその埋め合わせです。
姫様は彼女達を膝に乗せ、絵本を読み聞かせていました。
姫様のお召し物は、彼女達がぼろぼろとこぼしたクッキーの欠片まみれです。
「こうして勇者は、魔王をやっつけましたとさ。めでたしめでたし」
幼い彼女達には、意味が分からないのでしょう。
とにかくハッピーエンドに終わったと思い、無邪気に喜んでいました。
はしゃぐ子供達の頭を撫で、姫様も幸せそうです。
「そのような発禁本を読み聞かせるなど、子供の教育に良くないのでは?」
「いかがわしい言い方をするな」
勇者の物語は、魔王の威厳を損なうという理由でご禁制扱いとなっております。
いったい姫様は、私の目を盗んでどこで手に入れたのでしょう。
「父上の蔵書からくすねてきた」
あの宿六ですか。
姫様に魔王の地位を押し付けた張本人で、いまは悠々自適で遊び呆けております。
しばらくすると、春の陽気にあてられた子供達が寝入ってしまいました。
「勇者か――――余のところにも来ないかな」
姫様は子供達の髪を指先でくしけずりながら呟きます。
その声は、どこか憧れを含んでいました。
「姫様まで勇者なんておとぎ話を信じているのですか?」
意外に思いお尋ねすると、姫様が頬を染めました。
代々の魔王は、自分を恐れるあまり人間が生み出した、架空の存在である勇者に憧憬の念を抱きます。たぶん魔王だけが持つ、独特の破滅願望なのでしょう。
ましてや女性である姫様は、いっそう哀れであります。
姫様に敵う者はなく、父である前魔王すら凌駕します。
絶対強者の孤独。誰も姫様とは対等とはなり得ないのです。
それに私では、生涯寄り添うことはできても、姫様が真に望むものを与えることができません。
きっと姫様は大輪のごとく咲き誇りながら、実を付けることなく散ってゆくのでしょう。
だから少しでもその御心を慰めようと、うかつなことを口走ってしまいました。
「姫様が世界征服に乗り出したら、勇者が立ちはだかるかもしれませんね?」
「たわけたことを」
姫様はとりあわず、皮肉気に笑われました。
子供達が寝静まったので、小妖精達が姫様の周りに集まってきました。
穏やかな春の午後、静かに時間が流れます。
「…………世界征服か」
ぼそりとこぼした姫様のお言葉を、私はあえて拾いませんでした。
――――もちろん、それが直接の理由ではありませんでした。
人類国家と魔族の対立、世界情勢の変化と、様々な原因がありました。
ですが後の大戦の遠因は、姫様の呟かれた一言だったと思います。
そして姫様は、ご自分の勇者と決戦の場で出会いました。
彼に敗れることによって、姫様はついに奥様となられたのです。
長い時を経て、私が見守る姫様が幸福を得た物語は、また別の機会に。