Color.9
・・・・コンビニを出てから気づいた。
「ここ・・・どこ?」
ヤバイ・・・
あれほど、麗奈に言われたのに。
方向音痴なのに・・・
麗奈のことばっかり考えちゃって・・・
どうやってここまで来たのか、全く思い出せませぬ・・・
「あ、携帯携帯・・・」
あ、はは・・・
財布だけ持ってきちゃったーん・・・
「ふふっ・・・ははっ・・・」
もはや、笑いしか出てこない。
ここはどこ?
私はだれ?
いっそのこと、記憶喪失になりたいわ。
えっと・・・迷子になったらあれだよね、
むやみに動かず、救助を待つ。
・・・それって、遭難したときの話だよね。
私、どうしたらいいんだろう。
ホテルの名前、なんだっけ?
それすらも忘れちった・・・
茶色のホテルだったような気がするんだけど・・・
受付のお姉さんは美人さんで・・・
お風呂は大きいの。
露天風呂からは、東京の街並みがみえて・・・
それくらいしか、覚えてないって・・・
逆にすごいんじゃありません?まゆきさん・・・
私は、心の中で冷静にツッコんだ。
「麗奈ぁ・・・」
とりあえず、邪魔にならないところで腰を下ろした。
「助けて・・・」
気づいたら、麗奈の名前ばかり連呼していた。
「・・・大丈夫?」
「え?」
「具合悪いの?」
「あ、いえ・・・あの・・・」
ー蒼ー
見た瞬間、なぜかその言葉が出てきた。
この言葉がでてきたのは、翔くん以来だ。
キャップをかぶっているためか、よく顔は見えないけど男の人だった。
「お腹・・・痛いの?」
優しい、あたたかみのある声。
思わず、涙が出た。
「え・・・?
な、泣くくらい痛いの?」
「ち、違うんです。
そうじゃないんです・・・」
私は必死で首を横に振った。
「じ、実は・・・」
「うん。」
「道に迷っちゃって・・・」
次、いっきまーす!




