本気で
「翔くんとは、高校一年生のときに出会いました。」
「・・・?」
いきなり話し始めたからか、驚いた顔でこちらを見る
私は、気にせず続けた。
「急に東京へ行きたくなって・・・
友達と2人で旅行に来たんです。
友達がK/Sの大ファンで、コンサートに行った
後のことです。
コンビニに行ったら、迷子になっちゃって。
友達はホテルだし、携帯は忘れちゃうし。
ホテルの名前なんて覚えてないし。
もう、踏んだり蹴ったりで、うずくまってたんです。
そこで、ある人に話しかけられました。」
『お腹・・・痛いの?』
「それが、翔くんとの出会いでした。
うずくまってる私を見て、具合悪いかと
思ったんですって。
だけど、私が迷子になったって知るやいなや
大爆笑して・・・
ほんと、優しいんだか失礼なんだかって・・・
私、おお睨みして・・・」
『ごめんごめん・・・
可愛かったから、つい・・・』
「初対面の相手に可愛いなんて言って・・
絶対に不審者だって思いましたよ。
たらしだって・・・
しかも、ホテルの特徴言っただけで
ホテルの場所わかったなんて言っちゃうし、
絶対に危ないなって思って
警戒心丸出しにしてたんですけど・・・
その人の雰囲気が、なんとなく蒼色だって思ったんです。
なんでか、わかりません。
蒼・・・そう直感して・・・そしたら、緊張感がほぐれて・・・
その人のペースに乗せられて・・・
最終的には、ホテルにちゃんと送ってもらいました。」
『俺、誰だかわかる?』
「だけど、私全然桐谷翔だって気づかなくて
トップアイドルだなんて、思ってもみなくて・・・
気づいたときには、次の日東京を案内してくれる
みたいな感じにまでなっちゃって。
あのときは、絶対にファンに殺される、なんて思って
でも、翔くんといるのが心地よくて・・・
次第に惹かれていきました。
だけど、私には当時付き合っていた彼がいました。」
「え・・・」
「同い年で・・・ちょうど、彼との関係に疑問を抱いてたんです。
そんな弱い私に笑いかけてくれる翔くんを次第に好きになって
気づいたら、どうしようもなく・・・好きになってて
何度も諦めようとして、自分の気持ちから・・・翔くんから
逃げようとして。
それでも、追いかけて私にいつも向き合ってくれたのは
翔くんで・・・
だから私、そう簡単に翔くんを手放せません。」
私をここまで強くしてくれたのは、翔くんだから・・・




