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好き
ガチャッ
「ただいまぁ・・・」
シーンとした空気の中、
大好きな声だけが響き渡った
「まゆきちゃん?」
「おかえり、翔くん。」
「あのさ、話したいことが・・・」
「ごめん、ご飯つくるね。」
わかりやすく避けてしまった。
だけどね、別に聞きたくなくて避けたわけじゃない。
「まゆきちゃんっ聞いて・・・お願い。」
「・・・翔くん。大丈夫だから。」
「え?」
私は翔くんを信じてる
大丈夫。
これは、言い聞かせかもしれない
自分の自己満足かもしれない
だけどね、私エリカちゃんにも言ったように
翔くんを信じることしかできないから
「大丈夫」
「まゆきちゃん?」
「翔くんを信じてるから。
ワケがあるんだって、わかってるから。」
不安がないわけじゃない
自身があるわけでもない
私が今、心にあるのは
翔くんが大好き、ってことだけ
「翔くん・・・私は翔くんが大好き。
そのことは、いつまでも変わらないから」
「まゆきちゃん・・・
俺も、まゆきちゃんだけだからね。」
「うん」という思いを込めて、小さく頷いた




