脅迫
「いつの間に・・・」
「今ね、無音カメラっていうアプリがあるのよ。」
無音・・・カメラ
「こっそり写真が撮れる、イイ時代になったわね?(笑」
魅惑的に微笑む彼女に、鳥肌がたった
「・・・その写真、すぐに消してください。
誰かに見られたら・・・」
「誰かに見られたら、翔くんがたいへん?」
「そうです。」
「悪いけど、嫌。」
しらっと言いのける
「消して欲しかったら、私の言うこと聞いてよ。」
彼女は、最初からこれが目的だったんだ
翔くんを私から取るわけじゃなくて
翔君から私を取る。
結果的に翔君が自分のものになることを狙ったんだろうけど・・・
だけど、私から翔君に別れを告げたほうが翔君にダメージが大きくなって
より、自分にとりこませられるってことか・・・
頭のいい人は違うね。
「別れて。」
やっぱり
「嫌です。」
「んじゃあ、この写真・・・」
「それも、嫌です。」
「わがままねぇ・・・」
「私は、翔くんを傷つけたくないんです。」
「だったら・・・」
「だけど、翔君にとってその写真をばらまかれることよりも
私に別れを告げられるほうが嫌だと思うから・・・」
「何それ、自意識過剰すぎない?」
「自意識過剰なんかじゃないです。
私は、翔くんを信じてるだけ。」
エリカちゃんの目が、少しだけ揺らいだ
「私は、エリカちゃんみたいに綺麗でスタイルだってよくない。
なんの取り柄もないただの女子大生・・・
だけど、そんな私は翔くんを信じることしかできないの。
翔くんを信じる気持ちと、好きだと思う気持ちは
誰にも負けない。」
少し睨みつけるぐらいの勢いで言うと
エリカちゃんは悔しそうに私を睨んで
マンションから出て行った




