異様な光景
・・・なんで、こんなことになってるんだろ
今日は、とても楽しいはずなのに
とても、幸せな一時のはずなのに
どうして、翔君の家で・・・
"3人"で御飯食べてるわけ?
それに、さっきからエリカちゃんが翔君に話すから
私が入る隙なんてどこにもなくて
しかも、仕事の話だから
私についていくことなんてできなくて
きっと彼女は私がついていけないから
わざと、仕事の話をしてるんだと思う。
画面のむこうでは綺麗な人だな。
なんて思っていたけど、実際会ってみたら全然違う
すっごい、嫌なやつ!!
「翔くん、今度のドラマだけどさ?」
「うん。」
「あそこ、修司が美香に頼るとこがあるでしょ?
そこで監督は修司に泣くよう言ってるけど、
私はあそこ、泣くべきじゃないと思うの。」
「エリカちゃんも?」
「うん。ってことは翔くんも?」
「うん。修司くんの性格上、泣くっていうよりも、泣かない悲しみ・・・
みたいな感じのほうが合ってる気がするんだよね。」
「そうそう!同感!」
・・・翔くんも翔くんよ
なーんで、盛り上がっちゃうのよ
彼女を目の前にしてさ
他の女と楽しそうに・・・
気がついたら、どんどん顔がむすっとしてた
「・・・ごちそうさまでした。」
「あれ、まゆきちゃんもういいの?」
「うん。翔くんは?おかわりいる?」
「ん、頂戴。」
「わかった。笠神さんは?」
「私も頂戴♪
あ、あと私はエリカでいいから。
どうせ、10コしか違わないし。
翔くんを君付けするなら私もちゃん付けでいいから。」
「はい・・・」
さりげなく、この人は翔くんと同い年のことを
アピールしてきたと思う。
だって、顔がすごく輝いてるから
女の勘ってやつなのかな。
それとも、私がひねくれてるのかな
だけど、エリカちゃんのやることが全て
私に対する宣誓布告に思える
こんな、ガキに負けない、って。
エリカちゃんが翔くんを狙ってることは
もう、わかてるから
「はい、どうぞ。」
「ありがとう♪
まゆきちゃん、美味しいよ。」
「・・・ありがと。
翔君のためにがんばちゃった。」
「ふふっ、なんか嬉しいね。」
「え?」
「家に帰ったら、むかえてくれる人がいて、御飯作ってくれる人がいて
なんか、俺すっごく幸せ者って感じ♪」
「・・・私も、すごく幸せ。」
不思議だね、翔くんと一緒にいると
黒い感情なんか、薄れてく。
だけど、幸せな時間はそう長くは続かなかった




