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再び、歩きだそうと足を動かしたら
後ろから、怒鳴り声に近い声が叫んだ
「まゆきちゃんっ!」
なんで・・・?
って思う自分と
やっぱり・・・
って思う自分が、中にいる
きっと、さーやんから聞いたんだよね。
「まゆき・・・翔くんが・・・」
「わかってる・・・だけど、振り返らない・・」
お願いだから、私の決意を揺らがさないで
ギュッと目を瞑ると、頬に突き刺すような痛みが走った
「え・・」
「まゆきのバカッ!」
目を開けると、涙をいっぱいに貯めた麗奈がいた
すぐに、麗奈に殴られたことを悟った
「なによ、ケジメとかなんとか言って・・・
逃げてるだけじゃない!
自分だけ傷つけばいいとか思ってんの?
その考えが一番、周りを傷つけること・・・どうしてわかんないのよ!
まゆきは、バカだよ・・・大馬鹿野郎だよ・・・!」
「麗奈・・・」
「まゆき、翔くんに振り返らないのは
自分の決断が揺らぎそうだからでしょ?
でもね・・・私から言わせてもらうと、
そんなことで揺らぐような決断なら
最初からしないで。」
「どういう・・・」
「そんな軽い決断なら、する必要がないってこと!
いい加減、気づいてよ・・
まゆきは自分で思っているより、翔くんに惹かれてるよ。」
胸に、何かが突き刺さった。
トンッと、肩に何かが触れる。
彼だとわかるのに、そう時間はかからなかった
「麗奈ちゃんに同意。
ほんと、こんなメモ残しておく時点で未練たらたらでしょ、まゆきちゃん。」
恐る恐る振り向くと、子供のような笑顔の翔くんだった。
メガネと帽子をかぶってたって、わかる。
大好きな、翔くん。
「なんだよ、桐谷さんって。
俺、名前で呼んでって・・・言ったでしょ?」
「だけど・・・」
「ねえ、まゆきちゃん。
俺がもし、芸能人じゃなかったら、付き合ってくれた?」
「え?」
「俺が、アイドルじゃなかったら、付き合ってくれた?」
「翔くん・・・」
「もし、俺がアイドルだからとかの理由でバイバイなら
絶対にまゆきちゃんを離さない。
ずっと、俺の家に閉じ込めて出さないから。」
・・・いや、それは問題があるのでは・・・
そう思ったけど、あまりにも彼の瞳が真剣で
言えなかった。
「まゆきちゃん。」
「・・はい」
「絶対に、会いに来るから・・・
北海道、行くから・・・
だから、まゆきちゃんはちゃんとケジメつけて
待ってて?」
「・・・私、独占欲強いよ。」
「うん。」
「嫉妬深いよ。」
「うん。」
「今日、引き止めたこと・・・後悔しても知らないよ。」
「・・・(笑)絶対、後悔しない。」
今まで、我慢していたものがスッと浄化された気がした。
気がついたら、私は翔くんの胸の中で
誰かが見てるとか、恥ずかしいとか・・・
目先の幸せに酔っていた私は、考えられなかった。
さあ!ラストスパート!




