Color.33 rena-side
昔から、足だけは遅い私
恋愛ドラマみたいに、うまくいかず・・・
カッコ悪いくらいにすぐ捕まった。
「待てって・・・」
「いや・・離してよっ」
「そんなこと言われて離す奴なんていねえだろ。」
たしかにそうだけど・・・
「んで?なんで、だいっきらいなんだよ・・・」
だって、私たちはアイドルと一般人だよ?
世界が、違いすぎる
こんなことなら、叶わぬ夢なんて見なきゃよかった
会わなきゃよかった
だけど、好きにならなきゃ良かった
なんて思えないのは・・・どうしてだろうね?
「千歳はアイドルなんだよ?
私なんかとくっついて、一体何人の人が泣くと思ってるの?」
私だったら、耐えられない・・・
大好きなアイドルが、一般人なんかとくっついちゃったら・・
ショックが大きすぎるもん。
「・・んじゃあ、誰ならいいんだよ?」
「え?」
「誰とくっついたら、誰も泣かずにすむんだよ?」
「そ、れは・・・」
誰だろ・・・
どんなに綺麗な女優さんでも
どんなに可愛いアイドルでも
きっと、多くの人が涙を流す
きっと、みんな以上に・・・
私が、泣く・・・
「ほら、答えられねえじゃん。
結局、誰かとくっつけば誰かが悲しむ。
それは俺らの職業柄仕方ねえことだと思うけど・・・
俺は、そういう理由でお前に離れてほしくない。」
「千歳・・・」
「好きっていう気持ちを殺してまで、アイドルなんてやってられるか。」
「だめだよ、私は好きなことをしている千歳が好き。
きっとそれは、周りにいる人もそうだよ。」
「・・・じゃあ、そばにいてよ。」
「え?」
「俺は、好きなことをして、好きな子にそばにいてもらいたいの。
じゃなきゃ、アイドルやめるよ??」
半分、脅しのように迫ってくる
嬉しいのに・・・
私ってば、素直じゃない
「でも・・・だけど・・・!」
「もう、否定的なことはナシ。
麗奈は俺がアイドルだから好きになったの?」
「それは違う!」
「だったらいいじゃん。
好きなもの同士がくっつかないなんて、
ラブストーリー的にはNGでしょ?」
本当に・・・
いいのかな?
私、この胸に飛び込んでもいいのかな?
遠慮がちに、腕を伸ばした
その瞬間、グッと引っ張られて
気がついたら、千歳の腕の中で・・・
「千歳・・・」
もう、何も考えられなくなった
彼しかいらない
もう、なにも目に入らなかった




