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あなたの色  作者: 桜桃
part1
11/61

Color.11 sho-side


とりあえず、コンサートが無事に終わって


さーやんこと、佐山千歳と飲みに出かけた。


もちろん、ちゃんと変装をして。



「今日も、おつかれさん。」


「はいよ~」



コンっとグラスの音をならした。



「お、この煮付けうまい。」


「え?ほんと?」



さーやんの言葉を聞いて、俺も煮付けに箸を運ばせた。



「んめぇ!」


「な?絶対、翔ちゃん好きだと思ったんだぁ♪」


「うんうん。好き。」


「でしょ。」



さーやんは、納得したようにうなづく。




「そういやさ、さーやん。」


「ん?」


「今日、可愛い子いたね。」


「めずらし!翔ちゃんの口からそんなこと言うなんて。」


「え、そかな・・」


「うん。女の子なんて興味ないと思ってた。」


「まあ・・・確かにね。」


「んで?どんな子?」


「んー、美人な友達といっしょだった。」


「へー。二人して可愛いなんて、類は友を呼ぶ。って感じだね。」


「いや、その子・・・別に顔はフツーだよ?」


「え?」



さーやんが、目を丸くする。




「でも、面白い子だった。」


「いや、面白い子と可愛い子は違うから。」


「ん?そうかな。」


「うん。」


「まあ、どっちでもいいんだけどね。」



相変わらず、マイペースだなぁ。とさーやんは面白そうに笑う。



「その子、一人だけ座ってるんだよ。」


「え?」


「俺らのコンサート、一人だけ座ってたんだ。」


「あぁ、見た見た。結構目立ってたよな。

 ん?でも、顔は普通だったね。」


「だから言ったじゃん、フツーだって。」



人の顔のこと、こんなにフツーフツー言ってていいのか・・・


いや、本当はダメだろうけど・・


心の中で、彼女に謝った。




「んで?」


「俺のうちわ持ってたんだけどさ、ぎこちなく笑ってんの。

 なんか、コンサート初めてだったのかなぁ。ってさー・・・」


「え、でもさ・・・あの子って北海道のコンサートでよく見かけるよな。」


「え?そなの?」


「そなのって・・・あんだけ目立った子、そうそういないから。」


「へー。今日初めてきた子かと思ってた。」


「それだけコンサートに集中してるんだね、翔ちゃん。」


「ん。」




なんだか、俺よりも先に彼女を知っていたさーやんにムカッてきた。



「なに?ヤキモチ?」


「そんなんじゃないもん。」


「もんって・・・全く、26歳にみえない可愛さだよね。」


「え?そう?」


「うん。まあ、それが翔ちゃんの売りでもあるんだけどさ。」



さーやんは笑いながら、烏龍茶を一口飲んだ。





















「んじゃ、また明日な。」


「おー。」







酒なんか、一口も飲んでなかったけど、


なんだか、心は酔った気分だった。



















「助けて・・・」





今にも消えそうな声が聞こえる。


聞き間違いか?


そう思いながらも、聞こえた方に足を動かした。




人気のない場所に、小さくうずくまった女の子がいる。



─────あの子と、同じ服だ・・・



そう思うと、足が早くなった。























「・・・大丈夫?」


気がついたら、声をかけていた。



「え?」


びっくりしたように、顔をあげる。


─────あ、あの子だ・・・




「具合悪いの?」


「あ、いえ・・・あの・・・」



戸惑っている。


どうしたんだろう・・・



「お腹・・・痛いの?」


そう、話しかけると、目の前の女の子が涙を流した。


「え・・・?

 な、泣くくらい痛いの?」


「ち、違うんです。

 そうじゃないんです・・・」



必死に、首を振っている。




「じ、実は・・・」


「うん。」









































「道に迷っちゃって・・・」






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