Color.11 sho-side
とりあえず、コンサートが無事に終わって
さーやんこと、佐山千歳と飲みに出かけた。
もちろん、ちゃんと変装をして。
「今日も、おつかれさん。」
「はいよ~」
コンっとグラスの音をならした。
「お、この煮付けうまい。」
「え?ほんと?」
さーやんの言葉を聞いて、俺も煮付けに箸を運ばせた。
「んめぇ!」
「な?絶対、翔ちゃん好きだと思ったんだぁ♪」
「うんうん。好き。」
「でしょ。」
さーやんは、納得したようにうなづく。
「そういやさ、さーやん。」
「ん?」
「今日、可愛い子いたね。」
「めずらし!翔ちゃんの口からそんなこと言うなんて。」
「え、そかな・・」
「うん。女の子なんて興味ないと思ってた。」
「まあ・・・確かにね。」
「んで?どんな子?」
「んー、美人な友達といっしょだった。」
「へー。二人して可愛いなんて、類は友を呼ぶ。って感じだね。」
「いや、その子・・・別に顔はフツーだよ?」
「え?」
さーやんが、目を丸くする。
「でも、面白い子だった。」
「いや、面白い子と可愛い子は違うから。」
「ん?そうかな。」
「うん。」
「まあ、どっちでもいいんだけどね。」
相変わらず、マイペースだなぁ。とさーやんは面白そうに笑う。
「その子、一人だけ座ってるんだよ。」
「え?」
「俺らのコンサート、一人だけ座ってたんだ。」
「あぁ、見た見た。結構目立ってたよな。
ん?でも、顔は普通だったね。」
「だから言ったじゃん、フツーだって。」
人の顔のこと、こんなにフツーフツー言ってていいのか・・・
いや、本当はダメだろうけど・・
心の中で、彼女に謝った。
「んで?」
「俺のうちわ持ってたんだけどさ、ぎこちなく笑ってんの。
なんか、コンサート初めてだったのかなぁ。ってさー・・・」
「え、でもさ・・・あの子って北海道のコンサートでよく見かけるよな。」
「え?そなの?」
「そなのって・・・あんだけ目立った子、そうそういないから。」
「へー。今日初めてきた子かと思ってた。」
「それだけコンサートに集中してるんだね、翔ちゃん。」
「ん。」
なんだか、俺よりも先に彼女を知っていたさーやんにムカッてきた。
「なに?ヤキモチ?」
「そんなんじゃないもん。」
「もんって・・・全く、26歳にみえない可愛さだよね。」
「え?そう?」
「うん。まあ、それが翔ちゃんの売りでもあるんだけどさ。」
さーやんは笑いながら、烏龍茶を一口飲んだ。
「んじゃ、また明日な。」
「おー。」
酒なんか、一口も飲んでなかったけど、
なんだか、心は酔った気分だった。
「助けて・・・」
今にも消えそうな声が聞こえる。
聞き間違いか?
そう思いながらも、聞こえた方に足を動かした。
人気のない場所に、小さくうずくまった女の子がいる。
─────あの子と、同じ服だ・・・
そう思うと、足が早くなった。
「・・・大丈夫?」
気がついたら、声をかけていた。
「え?」
びっくりしたように、顔をあげる。
─────あ、あの子だ・・・
「具合悪いの?」
「あ、いえ・・・あの・・・」
戸惑っている。
どうしたんだろう・・・
「お腹・・・痛いの?」
そう、話しかけると、目の前の女の子が涙を流した。
「え・・・?
な、泣くくらい痛いの?」
「ち、違うんです。
そうじゃないんです・・・」
必死に、首を振っている。
「じ、実は・・・」
「うん。」
「道に迷っちゃって・・・」
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