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あなたの色  作者: 桜桃
part1
10/61

Color.10



「道に迷っちゃって・・・」


「み、道に・・・?」


「はい。」


「プッ・・・ククッ・・・」




目の前の人は声を押し殺そうと必死だけど・・・


笑ってるのバレバレなんですけど?



「ごめ・・・ごめん・・・っ」




私の視線に気づいたのか、目の前の人は、必死に謝ってくる。




だけど、もう遅い。






「ん、んで?

 ホテルはどこ?」


「わからないです。」


「え?」


「だから、ホテルがわからないんです!」


「う、嘘でしょ?」


「ここで嘘ついてどうするんですか・・・」


「じゃあ、どんなホテル?」


「茶色です。」




私の答えに、彼はまた噴き出した。




少し、いや結構失礼じゃないの?




「ひどいです。」



むぅっとふくらませた頬をつんつんとつついてきた。




「やめてください。」


「ごめんね、可愛かったからつい。」





この人、たらしだ・・・






「じゃあ、ほかに情報は?

 もう、笑わないから。」


「本当ですか?」


「ほんとほんと。」


「・・・受付の人が美人で、お夕飯が美味しくて、

 お風呂がおっきくて、露天風呂からは東京タワーがみえて。

 ホテルなんですけど、ベッドと布団が選べてー・・・」


「OK、もう十分。」


「え?わかったんですか?」


「うん。」




いやいや・・・おかしいでしょ。



もしかして、この人・・よからぬ事考えてるんじゃ・・・



さぁっと血の気が引いた。






「ちょいちょい・・・そんな警戒心丸出ししないでよ。

 襲ったりしないから。」


「初めて会った人のこと、信じたりできません!」


「そんなこと言われてもな・・・

 第一、初めてじゃないよ?会ったの。」


「え?」




初めてじゃない?




「もしかして、コンサート来てたんですか?」


「うん・・・まあね。

 ね、コンサート来てたってことは、やっぱりK/Sが好きなの?」


「好きっていうか、友達が大ファンなんです。」


「じゃ、君は?」


「ファンってほどでは・・・嫌いじゃないですけど。」


「へー・・・

 んじゃ、本題に戻るけど、俺・・・誰だかわかる?」


「えー?受付の人ですか?」


「ううん。」


「スタッフ?」


「うーん・・・」


「じゃあ、K/Sのマネージャーですか?」


「おお、おしい!近いとこまできてるよ。」


「えぇー、じゃあ・・・」


「ストップ。」


「え?」




いきなり、ストップをかけられる。





「その前にさ、聞きたいことがあるんだけど。」


「?なんですか?」


「K/Sだったら、どっちが好き?」


「うーん・・・翔くんですかね。」


「え!?それ、ほんと?」


「は、はい・・・」


「あ、ごめん・・・

 でも、彼のどんなとこが好きなの?」


「翔くんって、ホワンとしてるけどやるときやるじゃないですか。

 そういうのカッコいいなって。

 それに、翔くんの歌声て聴いてるだけで癒されるんです。」


「そ、っか・・・」


「?はい。」




いきなり下を向くからびっくりした。




もしかして、さーやん派だったのかな?


翔くんの話しされて、嫌だったのかな?


翔アンチとか!?



不快にさせちゃったかな?



いや、でも聞いてきたってことはそのことも考えてたよね?


私、悪くは・・・ないと思われるけど・・・




とにかく、訂正はしようと思った。



「どっちか、って言われたです。」って・・・


だけど、彼によって遮られた。





「わりぃけど、俺の正体はまた今度ね。」


「え?」


「俺が誰なのか。

 とりあえず、ホテルはわかったから、ついてきてよ。」


「は、はい・・・」



彼は、満足したように「んふふっ」と笑って私に手を差し伸べた。



不思議と警戒心なんかなくて、自然に彼の手を握っていた。












次は、彼視点でいきます。


もう、誰なのか・・・予想はついてますよね?

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