目隠しは何故?
抱きつかれてから離されるまで1分。ソフィアが急に入って来て、レノア共々説教を受けさせられ3分。俺はダイニングにいた。しかもよくわからないが目隠しをさせられて。
「一先ず作戦通りだったね、リリー」
「あなたがまさか男に抱きつくなんて思ってなかったわ…それは計算外」
「レノア、かなり大胆」
「そっ、そうですよ!いきなり抱きつくなんて考えられません!」
なんか俺が生きたここちしないんだが。てか、そんな話するなら耳栓もしてくれ。言葉がズサッ、てくる。
「そうかな〜。別にスキンシップの一環だし、いいと思うけど」
「それは世間一般じゃ非常識よ!男は何を考えてるかわからないのよ。レノアはエロいこと想像されてもいいわけ」
「別にいいけど。損はしないし」
一瞬、寮内の空気が凍った気がした。否定しようよ、レノア…完璧アウェーだって。
「レノアあなたね…」
「リリー、別にいいと思う。人それぞれ考えは違う。レノアはレノア、リリーはリリー」
「あわっ、あわあわ」
「ちょっと、トト!」
なんだこいつら、ショートコントしてるのか?目隠しで見れないが、何か想像つく。エロスを認めるレノア。それを否定するソフィア。またそのソフィアを否定するアルティ。会話についてけなくなったトト。人間、ていうか魔族関係がみえたよ。
「準備終了ね。たくっ、こいつのためにここまでしなきゃいけないなんて」
「開こうっていったのはリリー」
「そうだよね」
「そうです」
「うっ、うるさいわね…」
足尾とが近づいてくる。そして視界が開けた。まぶしさゆえに中々目がなれない。
う〜んと、何か書いてある。
「蒋、歓迎パーティー」
おっ、これってパーティー!机に乗せられた様々な料理。どれも美味しそうでいい匂いがする。いい気分だ。
「入寮おめでとう蒋君!」
「男の肩お一人ですが、肩身がせまい思いなんてしなくて結構ですよ蒋さん」
「あなたは私の奴隷」
なんか最後おかしなこと聞こえなかったか。いや、まぁ、幻聴だよね、うん。
「ほらっ、リリー。リリーが言わなきゃ食事にならないわよ」
「ちょっ、レノア」
三人の後ろに隠れていたソフィアを、レノアが前に連れ出す。赤く顔を染めたソフィア。そんな俺と面と向かって話すのが恥ずかしいのか?
「しょっ、蒋。あなたはここに入寮。そしてこれからコフィクメンバーとして私と共に行動するわ」
「そうだねソフィア。これからよろしく」
「さっ、先に言わないでよ!ペース壊れちゃったじゃない!」
あれっ?墓穴掘った?なんか奥の三者がこっちを冷たい目で見てる。
「まっ、まぁいいわ。改めて言うから。これから長い付き合いになるでしょうから…その、よろしく…」
「うん。新人だけどガンバルから、色々教えて、ソフィア」
「あっ、後ね、あなただけソフィアじゃ変だからリリーって呼んで」
「いいの?てっきり呼ばれたくないのかって思ってた」
「あなたとまさかパートナーになるなんて思わなかったからソフィアっていったのよ」
「そうか…なら、握手だソフィ…いや、リリー!」
そう俺は、手を差し出す。するとリリーは少し躊躇ったようだが、手を握り返して来た。彼女の手は柔らかくて小さい。
「今、変なこと考えたでしょ、変態!」
「べっ、別に考えてねぇー!」
「はい、はい握手握手!」
このままじゃダメと感じたのか、レノアが無理やり俺とリリーの腕を振った。
「よろしくなリリー」
「こちらこそよ、蒋」
なんだ、彼女は悪い人じゃないじゃないか。最初の印象のままだったら最悪だったが、今の彼女は美しい乙女ーー
「ただし、変な想像はよろしくなんかないからね」
きれてらっしゃる?てかそんな顔にでてるのか、俺。
軽く睨まれたのは少し残念だったが、彼女となら仕事とやらをこなせられるんじゃないだろうか。




