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Fiend Habitat!  作者: 太郎
2/7

目覚めたそこには?

「うっ、うう…」

「目覚めたのわね」


ここは一体…見上げた上には照明、ふかふかの布団、頭にフィトした枕、そして薬品の匂い。どうやらここは病因のようだ。しかし何かおかしい。足が動かーー


「痛ェ‼」


よく足を見ると、包帯がぐるぐる巻きになって固定されていた。通りで痛いわけだ。

そして何やら隣から笑い声が聞こえる。人様がこんな目にあっているのに!睨みつけてやる。


「ごめんなさい。あなたのリアクションが可笑しくて」


こっちはこんな目なのに笑いやがって。それよりこの女は誰だ?真紅の長髪、その長い髪の一部を三つ編みに結い、他の髪はすらっとながれるよう、そしてキリッとした顔立ち。よく見るとすんごい美人だ。


「誰だっ、て感じよね。私はリリー・ソフィア。ソフィアと呼んで、浅間蒋君」

「…⁈」


何故だ。何故名乗ってもないのに名前を知っている。もしかして知り合いなのか?


「何処かでお会いしましたっけ?」

「名前を何故知ってるかと思ったんでしょ?それならパスポートを見させてもらったわ」


全く赤の他人でした。しっかし、バリバリ個人情報を知られたわけだが、俺どうなるんだろう。


「それで、蒋君。パスポートを見たのだけど、あなた日本で出国届け出してなかったでしょう?」


痛い所をつかれてしまった。全くその通り。出国手続きとか内心どうでもよくて、爺さんの言うこと無視したんだよな。ばれないようにとしてきたのに。


「ええ、まぁ…」


認めざるおえない状況になるとはさ。強制帰還かーー


「どうせそうだろうと思ったわ。仕方ないから私がそこはなんとかはぐらかしといたから。以後、こんな馬鹿な事はしないことね」

「はっ、は〜い…」


どうやら帰還は免れたらしい。感謝しなければ。


「あの、ありがとうございます。はぐらかしてくれて」

「別に感謝しなくていいわ。逆にこっちが、感謝しなくちゃ、ならないもの。飛行機内の乗客、それと犯人もろとも全員の命を救ってくれたこと感謝するわ。でも…」

「いやー、それほどでもないです。それで、でも?」

「あなたは自己犠牲過ぎるわ。飛行機から飛び降りたらこうなることくらいわかってるでしょう⁉」


…はいっ?怒られてる。いわば飴とムチ?だとしても救ったんだ、怒られる筋合いはない。


「自己犠牲って言いますけど、結果的にみんな無事ですしーー」

「だから、救ってくれたことには感謝するけど、自分の身を最優先にしなさい、とこの私が言ってあげてるのよ!」


なんか性格変わってないか。もしかして最初猫かぶってた?それにしてもそこまで言う必要はないだろうが。


「あの状況じゃ、みんな救うにはあれしかなかったんだよ!自己犠牲でもなんでもしなきゃ、チンピラは死んでいた‼そうだろ⁉」

「あ〜もう!正直犯人はどうでも良かったのよ。あんたが怪我したせいで、事件を担当した私への調書はたくさん…あんた自分の事をヒーローと思うかも知れないけど、私からすればあんたは、自己犠牲大バカ野郎よ‼」

「そこまでだ、ソフィア」


ソフィアの激昂を止めるように、扉が開かれる。髪をオールバックにした細身のスーツを着た男、胸には「エレメンツ」と書かれたエンブレムがついている。


「ごめんね、蒋君。ソフィア君が怒鳴ったりして」

「署長、悪いのはこいつよ。私を咎める前にこいつを咎めてよ!」


全く収まる事のないソフィアの怒り。こちらも言い返したくなるが…今はよしておこう。


「ソフィア君、君は少し考えを改めるといい。犯人だって生きている。粗末な命なんてないんだよ。それは人一倍君は理解しているはずだ」

「うっ…」


ソフィアの顔が歪む。署長さんナイスだ。


「署長さんナイスか…褒めてもらえるのは嬉しいが、君も君だよ」


はて?今俺は口に出してものを言ったか。それは否だ。断じて否だ。心の中でそう思っただけだ。なのに何故か、考えが見破られてしまった。


「君の疑問はよくわかる。先に言っておくと僕はね、人の心がよめるんだよ。だが、それはいい。君はソフィアが言う通り自己犠牲がすぎる。君の活躍乗客一同、エレメンツ一同感謝はする。しかしながら、君が死ぬ確率もなかったとは言えないだろう」


ギクリッ。確かにそうだ。下手すれば死んでいた。けれどあの時はああするしかなかった。


「君はどうやら自分の力を倍加していく事ができるようだね。もし僕が君の立場だったら、力を最大限倍加させてから飛行機から降りたね。推測するに、君の力ならば地面への落下ダメージはゼロに出来たと思うね」


確かにそうだ。あの時俺は逃げる事ばかり考えていた。エンハースをさらにかけるくらいの時間の余裕はあった。全く、この人の言う通りだ。しかし…


「署長さん。あなたの言う事は全て正しい。しかし、そんな詳しく私に叱責くださらなくても、別に僕は二度とそんな状態に陥るような場面に合わないと思うのですが?」


確信しているわけじゃない。でもまさか、二度もあんな状況になるなんて事はないだろう。


「いえ、その件についてですが…」


署長がフッ、と息をつく。なんかやな予感がする。


「蒋君、ソフィア君と組んでくれないか?」


「…はぁっ⁉」

「…はぁっ⁉」


黙り込んでいたソフィアが口を開く。ソフィアと組む?冗談じゃない。なんの仕事かはしらんが、こいつとなんか絶対嫌だ。


「何を言うんですか署長‼私は学園内から選ばれた唯一の存在コフィクなんですよ⁈そんな私になんでよりによってこいつを!」

「そうです。なんで俺がこんなやつと組まなきゃいけないんですか?俺、関係ないでしょ!」

「完全に拒否されたか…こうなるとはわかっていましたが、なら二人をそれぞれ納得させましょうか。ソフィア君、君は爆発からかなり前に報告を受けたのに、私情を優先して爆破に間に合いませんでしたよね」

「そっ、それは…」


強気だったソフィアが口を出せなくなる。署長は強い。


「コフィクになる前にあなたは誓いましたよね。何よりも被害者の事を考え行動すると。それを無視したのですから、ペナルティは必要です。本当なら降板していただくのですが、今回は許しましょう。一つ条件を飲んでもらえたらですがね」

「こいつと組めと…」

「そういう事です。僕は思うのです。蒋君の性格からすると、あなたの緩さは改善されるのではと」


ちらっと署長がこっちをみる。イマイチ今褒められても嬉しくない。

署長ね問いに対し、ソフィアは虫を噛んだような表情でこたえた。


「背に腹は変えられないか…わかりました。いいでしょう。こいつと組みますよ、仕方ない」


そんな嫌そうな表情するなよ…俺だって嫌だよ。てか、認めてないし。


「次は蒋君ですね。君は第一に不正入国者です。今すぐ帰還してもらっても構いません」

「そこをつかれると痛いです…」

「第二に、あなたが寝ていた時、ずっとバイトを何にするか悩んでいましたね?」


全部お見通しって事かよ。あんまり金がない事もばれてる?


「ソフィア君と組んで仕事を組んで貰えれば、あなたははれて正式入国者として歓迎されますし、悩みのバイトの事も解決します。それに住の問題、これからいくでしょう学園への支払いもこちらが負担しましょう。ただし、こちらの提案を飲んだらですがーー」

「はいっ、もちろん飲みます。飲み込みます!」


そんなうまいはなしに喰いつかないわけがない。


「よろしいです。ならば、二人共サインをこちらに」


署長は紙を渡してきた。まぁ、前文なんてどおでもいい、サイン、サインっと。

しかしソフィアは本当嫌そうにしている。知ったこったないが。


「はいっ、いいでしょう」

「それで、署長。ソフィアと組んで一体何をしろと?」

「そうですね…それより先に僕の仕事を言っておいた方がいいでしょうね…僕はエレメンツ、まぁ、日本国でいう警察といったところの署長をしています。それと遅れながらに、僕はリファン・カッツェと申します。以後お見知り置きを」


署長が軽く会釈をしてきたので、こちらも返す。物事の順番がいささかおかしいきがする。


「さて、本題の仕事ですが、あなたにはソフィア君と協力して我々の手伝いをしてもらいます」

「手伝い?」

「ええ。我々は都市長の許可なく動くことはできないのです。そのため学園からサポートを頂き、我々より小回りがきくミニ警察、コフィクを作ったのです。あくまでミニ警察ですので、大きな仕事を任せることはできませんが、今回に関しては…」

「すいませんでした」

「ふっ…」


署長、悪い男だ。でももしソフィアが早く来てたら、こんな結果に辿り着かなかったんだろうな。恨むぜ。


「細かい仕事については現場で慣れてください。私からは以上です。質問があればパートナーのソフィア君に聞いてください。後、これを渡しておきます」


そう署長は、腕時計を渡してきた。といっても、何か普通と違う。


「これは通信アイテム、いわば小型携帯です。周波数を合わせることにより相手と通話が出来ます。僕とソフィア君の分は既に登録しておきました」


なるほど、小さい割に合わず高性能だな。操作も単純でわかりやすい。


「それでは、君の退院まで僕は待つとします。ソフィア君。君はここに残りなさい」

「署長!なんでですか⁈」

「それは自分で考えなさい。それでは」


ソフィアの静止を物ともせず、署長は部屋から出て行った。なんと重い雰囲気だ。

本当はこんなやつとパートナーなんて嫌だ。しかし、そうしないと強制送還。魅力的な要素までつけられてしまった。諦めてこいつと仲良くするしかないか…


「まぁ、仲良くしようよ。パートナーなんだしさ」

「仕方ないわね…背に腹は変えられないってこの事ね。しょうがないから承諾してあげる」


なんか顔がピクピクしてる。キレる寸前じゃないかこいつ。でもま、やるしかないでしょ?こんな状況においてそうとしか思えない僕であった。

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