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 セミの鳴き声がする。夏だ。ただひたすらに暑い。夏になっても未だ友達ができない。一人くらいは気の合う人はいるんだろうなとか思ったりもした。ただの妄想だ。叶うはずもない。

そんな中でも特に嫌なことは授業だ。根暗な僕は授業に集中できると僕も思う。でもペアワークやグループワークがある。それが地獄すぎる。勇気を出して意見を言おうとするもすぐに周りの人と喋りだす。僕がいない人間のように。クラスの中でも、学校の中でも空気のような存在になってしまい絶望を感じる。


「死んでやろうか」


 そう思うしかない。今の人生に意味なんかないだろう。何をしても楽しくない。何が僕を変えてくれるのだろう。そう思い続けてもう3ヶ月も経った。


「生まれ変わったら犬になりたい。」


 生きる意味が見つからなかった。死ぬ意味なら見つけれた。死んだら今のつまらない人生なんかより楽しいことが待っているかもしれない。犬や動物はペットとして飼われるとめっちゃ甘やかされる。僕は生きていても甘やかされやしない。毎日のように話しかけられない。


「早く生まれ変わりたい」


 何を考えてもそう思う。何を考えても結局はこの気持ちが強くなるだけ。予定してるけどそれより早くに死んでしまおうか。


「夏が終わるころにはきっと」


 あともう少し。

「明日から夏休みが始まるが、くれぐれも羽目を外しすぎないように。」

先生はそう言った。ありきたりなセリフだな。でもそんなのも、僕には関係ない。明日からはどこにも行かなくてもいい。何も考えなくいていい。あとはただただあの日を待つだけで。


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― 新着の感想 ―
短いながらも情報がたくさん詰め込まれてすごくいいと思いました
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