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春
4月7日
僕は夕波高等学校(通称:波高)に入学した。
新しい学校生活はとても楽しいだろうな。そう思いながら門をくぐる。教室に入ると今まで思っていたことがすべて覆された。
「もうグループが確立している。」
僕の足は止まり震えだした。賑やかすぎるのだ。元々僕は根暗な性格で友達がいなかった。到底馴染めず、ずっと孤立していた。高校こそは。そう決意したのに。
「なぁ、あいつなんで教室の前で止まってんの笑」
聞こえるはずもない声が聞こえてくる。
あぁ、やっぱり僕には無理なのか。そう思いながら教室に足を踏み入れる。ただ座っているだけじゃ誰も来るはずないのに。自分から行かなければいけないなんて自分が一番わかっているのに。何もできないまま時間は過ぎて一日が終わってしまう。
「あぁ、お母さん。やっぱり僕には無理だよ。」
仏壇に手を合わせながら言う。会えないのに。会えるはずないのにいつも頼ってしまう。もう無理かもしれない。9月までは頑張ろうか。耐えれるまで頑張ってみるか。また地獄のような日々が始まってしまうのか。