第四十三話 ご利用の際は考えて
なんでこいつにはシャロが持ってた腕輪が使えんだよ。いやそれよりこれを使ったら誰かしらの時間を奪うって、今使っているのは僕じゃなくて汐。こいつは普通の人間。使ったら死ぬかも知れん。
「それ返せ!僕のだ。どうやって使ったか知らんが勝手に使うな。」
「うん。ごめん。自分なんかクラクラするかも。」
ふーん。普通はこうなるのか。汐の時間が減ってるってことなのか?使い方さえわかれば上手いこと使えるかも知れないな。
「とりあえず、そのクラクラが収まったら、この世界の人間どもがくる前に移動するぞ。あといぬっころに追いつかれたらひとたまりもない。わん公どもとも合流しなきゃならん。」
「うん。そうだね。自分のロケットえんぴつで飛んでっていいなら行くよ。」
「好きにしろよ。僕を乗せていけるならな。」
わん公どもと合流できる気がせんな。神と一緒ならきっと元の異世界に戻してやってるかも知れんなあ。まあいいか。
「準備万端!これにて出発!安全第一で行くよ。」
「一応聞くけどそれで移動できるのか?僕と一緒にだ。できないだろ。」
「いけるよ。自分がロケットえんぴつ2個持って、一気にバーンと地面に向けて放ったら、上に一気に飛べる!そのあと空中で横に向かってもう一回バーンと放ったら移動できるかも!いそべちゃんは自分がおんぶしてみるよ。しっかりとつかまってね。」
なんかよくわかんないけど自信ありげだし、こいつのやり方で移動してみるか。
この腕輪で試してみたいことがあったが時間が奪われて動けなくなったりでもしたら大変だからな。今はやめておくか。使ったら使用したやつの時間を奪うなんてものうまく使える気がせんが。
あとは汐におんぶされてここから離れるだけか。
「じゃあ、今度こそ出発進行!」
一気に空中に飛び上がり、すごい勢いで山々通り過ぎていく。ホルンたちも本気出せばこれぐらいできないかな。
「あっ。えんぴつもうないかも。」
「え。なんか言ったか?勢い強すぎて何も聞こえない。」
ひゅるひゅると音を鳴らしながら勢いがだんだん落ちていく。もう下に降りるのか?この辺森だらけで何もなさそうだが。僕知ってる...この高さから落ちたら痛かったことを。
「バカやろてめー。」
「ごめん。えんぴつ無駄に使いすぎちゃった。考えてえんぴつ使えば良かった。」
下につく前にどうにかしないと死ぬ。ここで二人死ぬのはだめだ!




