第四十一話 周りが見えなくて
やっぱりこいつこのまま野放しにしちゃいけないやつだ。ここまで壊されると思ってなかったし、ロケランとかいう現代異物持ってこられるとは思わないだろう。興奮しているのかバカバカ打ちまくっている。
「おい。バカあまり打ちまくるな。いくらお前のいた異世界でできなかったことだとしても何にも考えずに行動するな。聞いてるのか?」
嬉しそうに鉛筆の形をしたロケランを愛でている。僕が睨んでいるのにも気づいていないようでロケランだけが目に映っているようだ。ダメだこりゃ。面白いことが起きると思っていたがそうでもなかったみたいだ。
あまりにも大きな音で打っていたのもあってか周りから人が何人か近寄ってきているようだった。めんどくさくなってきたな。
「お前がバカみたいに打つせいで人が寄ってきたぞ。足音が聞こえないのか。」
「えー。そんなわけないよ…今のがさって音もしかしてモンスター?モンスターなら試し撃ちの犠牲になってほしいな。」
「さっき言ったろ。人だよ人。人もモンスターとさして変わりがない的が出てきたぞ打ってやれよ。」
さっきまで興奮して何も考えずにバカスカ周りを打ってたやつが急に人が出てきたら打つのをやめるなんて変だな。
「人は的じゃないよ。打てないそんなことできないよ……」
そういうと汐は鉛筆ロケランの銃口を降ろした。周りの人間は武器を持っているから応戦した方がいいのにこいつは何してんだ。僕がやるしかないか。僕は汐が持っているロケランをとった。
「貸せ。僕が打ってやる。木々を吹っ飛ばせたんだから人も飛ばせんだろ。」
僕はロケランを構えて人にめがけて打ってみた。一発打ってみると僕の体は吹っ飛び木にあたりロケランの弾である鉛筆も人より地面の方に当たってしまった。
「はぁーーー!?なんで僕は吹っ飛ぶんだよ!汐はふっ飛ばなかったのに!おかしいにも程があるだろーー!」
僕がロケランを地面に叩きつけると汐が驚いた様子でこちらに駆け寄ってきた。
「ねえ、大丈夫?いやそれより地面に打ちつけて吹っ飛んだってことはいっぱいロケラン持って地面に打てばもっと吹っ飛んぶことができるかも……」
心配したかと思えば考え込んで目をキラキラしてくる。こいつ忙しいやつ!
急に体をピンッと伸ばしたかと思うと本当にロケランをいっぱい出してきた。鉛筆を装填して僕を小脇に抱え始めた。何するつもりだ。
「じゃあ。少しだけやってみたいことがあるからちょーっとだけ付き合ってね。」
嬉しそうな表情での怖いは始めてかもしれん。




