第四話 初めての戦闘
僕はいそべ。異世界を行き来することができる能力を持っている太神楽だ。
ついさっきまでどこの異世界に行こうか考えながらくつろいでいたら急に吹っ飛ばされた。どうやら他の異世界から召喚されたアライという少年にぶつかってしまったらしい。初めは腹を立ててしまったけど、アライは初めての異世界ぽいから許してあげた。
冷静に考えると今すぐにでもアライを元の世界に返してあげたほうが良いのだけれど……
アライは帰る気ないみたいだし、それに異世界は大体理不尽な場合があるから痛い目見て帰りたいですって泣いてすがるまでこのままでいいかなと僕は思う。うん。大丈夫でしょ。多分。
それより、アライは異世界にきた自分のことより燃えている街の方を心配しているみたい。自分のことの方がよっぽどたいへんなめにあっているのに?
今なんて街の方に走って近づきながら、アライはしゃべっている。聞こえてはいるけど、足が速すぎて追いつく暇もない。街に着く頃にはアライの話す計画はきっと無駄に走っているせいでおじゃんになっているだろう。僕はもう疲れすぎていてアライに手を引っ張られるかたちとなって街の前までたどり着いた。
街の中は見た感じ火の海となっているようで時折聞こえる人々の叫び声に少しばかり足がすくむ。
僕は戦えないがこの世界のルールに則って魔法やら術を使いこなせば何とかなるやもとアライが言っていたけど、もし無理そうだったら異能ですぐさま逃げさしてもらおう。ぜったいその方がいい。
「あっ。あそこに人が」
アライはすぐさま倒れている人のもとに駆け寄ってあげている。
建物の中には人は見受けられず、倒れている人の奥のほうを見てみると多くの人がでかい怪物に捕まっている。ほら見ただから逃げた方が良いんだ。
「アライなんかでっかいのがいるぞ」
「え。ほんとだ。」
アライがでっかい声をあげるから相手もこちらに気づいてしまった。
怪物はこちらをじーっと見て声を荒げながら近づいてきた。
「なんだまだうまそうなガキがいるじゃねえか。」
「どこにでもいそうな悪役のセリフ言ってる。ヤマタノオロチみたいなやつが。」
確かに見た目は完全にそれだ。でも、いまはそんなこと行っている場合ではない。ここからどう動くか。
「アライ。戦った方がいいのかなこれ?」
「そうでしょ。明らかにこいつが原因でしょ。いそべは獅子舞の準備を」
アライに言われ、僕はすぐさま転移させておいた獅子頭、鈴、幣束を取り出す。
獅子頭を被り、準備をする束の間にでっかい蛇は大量の魔法陣を出して、僕らに攻撃を仕掛けてきた。




