第三十六話 駅
体が勢いよく地面に叩きつけられた。場所はいつもと違って薄暗い場所でいそべも今回は気絶とかしてなかった。よかったみんな無事で。
「もーまた知らないとこに来た。これじゃ近道するとこにさえ辿り着かないぜ。」
「だっていそべが急に方向転換するからでしょ。飛んでる最中に体を無理に傾けちゃダメだよ。ホルンきっとびっくりしてたよ。」
「うるさーーい!わん公がなんか臭い匂いがするっていうからだろ僕を驚かせようとするな!」
あの空間で匂いがすること自体が相当びっくり要素なのかいそべは機嫌が悪そうに薄暗い場所にある看板を見始めた。
「ここは…漢字読めね。」
いそべは看板にある文字が少し読めるようで時間をかけながら解読していた。
「ここは駅だからきさらぎ駅だな。まあまあ近道できるからここ通っていこう。ホルンは動かなくなったからわん公僕を守れよ。前のとこで何にもしてないんだからな。」
守らなきゃ文句言ってきそうだからやるけどここはどういうとこなんだろ。聞いても教えてくれないかもしれないから聞かないけど。それより疑問なのが俺なの他に人がいるみたいな匂いがする。
「いそべここ俺たちの他に人がいるかも。匂いがするんだなんだかここ怖いし一緒にその人とも行動したほうがいいんじゃない?」
「まあ、こっち寄りに詳しいやつかもしれないからそいつ探すか。わん公臭いを辿れ!」
臭いを辿ってみるとベンチのような所に女の子がいた。いそべは見つけるや否やその子に近づいていった。
「おいお前。ここのこと知ってること話せ。」
「えっ。い、生きてる人がいちゃダメってことしか知らないかな。初めまして。なんか安心する服着てるね。コスプレイヤーさんかな?」
「こんなとこでそんなもんやってると思うか。随分と呑気なやつだな。ちょうどいいお前も一緒にここ脱出するぞ。」
いそべはベンチに座っている女の子の手を掴み暗い方へと連れていった。俺は動かなくなったからホルンを持ちながら追いかけた。
トンネルを通っていく最中、誰も何も言わなかったいそべは早歩きで進んでいくし、女の子は怯えているのか微かに震えている気がする。だいぶ歩いたくらいで背後から気配がした。
「お前ら後ろ向くなよ。」




