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第三十五話 再会



シャロが部屋から出てくる。さっきまで表情が固かったが元のにこやかな表情になっていた。


「またしてしまってすみません。じゃあここを出ましょうか。」


みんなでもときた廊下を戻る。やっと帰れるな。もうガキどもはシャロに殺されたから何もいない。前より不気味な感じは無くなった気がする。気がした。真直線に何か嫌なものを発している。止めるべきだけどそれはシャロが探している大切なもんかもしれない。僕は止めなどしない。


「これは兄さんご無事ではないようですがお久しぶりです。」


シャロが兄と呼んだものは鉄の鎧のようなものを纏いながらずるずる這いずっていた。シャロは無言で開けるとそこには人間の臓器がまばらに入っていた。よく見るとトゲの部分には心臓みたいなやつがいっぱい突き刺さっていて、よく見ると入っている臓器は人の形を模していた。これがシャロを犠牲にしてでも生きようとした兄の末路というものだろうか。


「喋る口も無くなってしまったんですね。なら、もういいですか?兄さん。」


シャロが兄である鉄の鎧の上に腕輪を浮かせると兄はシャロが言いたい意味に気付いたのか、後ずさるように這いずり始めた。


「大丈夫、苦しくないです。大丈夫。私たち双子でしょ。二人で一人でしょ。もう終わらせてあげます。時間よさあ。」


シャロが這いずっている兄の肩のようなところを掴む、抵抗のつもりなのか鎧から開けれた中身が次々に飛び出てくる。


「吸血鬼はこういうの食べたくならないの?どちらかというとワン公よりこっちの方が美味しそうに見えるけど?」

「遠慮しておこうかな。生肉はちょっとね。」


手だしはしないように僕も吸血鬼も少し離れてみているとシャロが反撃を喰らった。


棘が彼女の体に穴をあけ、臓物が彼女の体の中に入るかのようにしたたる。

彼女は刺されてもなお、腕輪を動かし続けており、カチコチとどこからともなく音を鳴らしながら、時間が過ぎ去っていくの伝えていた。

片方は幸せそうに、片方は悲痛の叫びをあげているように見えた

双子の子らはちりも残らず消えていった。


「これで知り合いの困りごとは終わりだ。屋敷に戻ろうじゃないか。」


吸血鬼とホルンはすぐにここから外へと出ていった。シャロはちゃんと兄と会えたみたいだ。


「満足そうでなによりさ。最後の最後に大事な家族とやらを殺すとは思わなかったけどな。」

(そうですね。最後にハグをできて私は満足です。)

「それは良かったな。」


シャロは浮かんでいる。薄い手で僕の右手を掴む。


(見えているんですね。不思議な子。あなたにこれを差し上げてもいいですか?)


シャロは僕の右手を離すと僕の両腕に二つの腕輪がスッと付けられた。これはいい贈り物をもらったようだ。


「待って。僕これの使い方知らないけど。」

(いつか分かるものです。あなたが危機に瀕した時にきっと役に立つでしょう。では私はもう地獄に向かわなくては。)


まじか。説明書入れてくれないタイプなの〜。まあいっか。説明書読まないタイプだし。


「それじゃ。旅の導きがあらんことを。」



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