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第三十三話 犠牲はつきもの



ガキが立ち上がりホルンが吹っ飛ばした腕をみた。バカがよう。僕を真っ先に襲うからだよ。僕はすぐにホルンたちの後ろに隠れた。ガキはシャロをじっと見つめた状態で固まったかのように動かなくなった。


「腕が元に戻っている。どうやら彼はただの人間ではないようだね。シャロくん説明してくれると嬉しいな。」

「では、この子を殺しながら説明でも聞いてください。彼らは兄の残り滓。子供達です。私たち家族は双子として生まれて私は不老。兄は不死の力を貰い受けました。兄と私は二人で一人の人間として育てられました。周りの大人たちは将来、兄に強大な力を使いこなしてもらい周りを暴力で従わせようとしました。長く生きる私は操り人形にでもしてこの家の将来を任せようとしていました。この家には死を奪う代わりに大きな力を使う道具があります。私が持っているこの腕輪のようなものです。大きな力の代わりに代償がついたのです。兄は犠牲にならなければならなかった。

死なないはずの兄は怖かったのです。数十年、人を殺して自分も死ななければならないという負の連鎖。兄はそれを知ってなのか。ある日、私と交換をしようと言ったのです。兄は私のフリを、私は兄のふりをすることにしたのです。フリなんて簡単でした。顔だけは似ていますから。でもそれはただの子供達のいたずらとかではなかったのです。私は兄にはめられたのです。兄の代わりに私は犠牲にされたのです。」


シャロは腕輪でガキの時間を奪いながら話した。その兄とやらに相当怨みが募っているかのような感じが取れる。まさに悪いものがついているかのようだ。


「でも、シャロ君はここにいる。君は犠牲にならなかったのだろう。」

「そうです。私はこの腕輪を犠牲になる前に見つけてなんとかこの家から出たのです。ただ、いつでも帰れたのに腕輪で自分の時間を犠牲にし過ぎてしまったせいで私は記憶が飛んでいってしまったのです。それに髪は白く、勝手に伸びてしまいました。」

「何回飛んででも思い出すなんて相当思い出深いんだな。シャロにとってどんなに時間が経ってでも忘れられなかった。なんとなく分かるよ。でも、ここにはもうお前の兄貴はもういないだろ。死なないけど老いには勝てない。もう帰ろう。」


急かしてみたがシャロがここから動く気はないようだ。吸血鬼が僕の腕を引っ張りながら部屋を出た。



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