第三十二話 不気味な館
でっかい扉を開けてみると中はでっかい机といっぱいの椅子。吸血鬼の家にもあった大きな火をつけるところがあった。それとたくさんの人間。全員男の子で幼い見た目もいればシャロみたいな歳の奴もいる様に見える。こっちに気づいたのかじっと僕らを見つめている。こいつらを見ていると不気味さに拍車がかかる気がする。
「ママだ。ママだ。ママだ。ママだ。ママだ。ママだ。ママだ。ママだ。ママだ。ママだ。ママだ。ママだ。ママだ。ママだ。ママだ。ママだ。ママだ。ママだ。」
全員がそう言いながらシャロを指を刺し始めた。僕も吸血鬼もびっくりしてすぐには動けなかった。ガキどもが騒がしくシャロをママと呼んでいる。ガキどもの顔をよく見てみるとシャロに似ている気がする。多分。
「シャロに似ているよな。髪の色以外はすっごく似ている気がするぞ。」
「お二人とも後ろに下がっていてくださいね。あまり近づきすぎると時間が奪われていってしまいますから。」
シャロはそう言いながら二つの腕輪を空中にあげてガキどもの頭の上に飛ばすと一気にガキどもがしょぼしょぼと爺さんになって最後には砂の様なサラサラとした何かになっていった。時間を奪われたもんはみんなああなるのか。それともいつかは時間がくれば皆ああやって寿命が来るものなのかもしれない。
「あんなにたくさんいたのに全員の時間を奪ってしまったのか。彼らはシャロくんの家族じゃないのかい?」
「あれらは違います。私にとって家族は兄さんだけです。あれは兄さんの残り滓みたいなものです。私もよくわからないので少しだけ屋敷の中を探索してみませんか。」
興味はあるけどさっきみたいなのがいたら最悪だ。でも、シャロの腕輪について知るには多分家の中を探索したほうがいいんだろうな。気になることはとことん調べるべきだね。
「僕はいいさ。いそべくんと箒くんは?その様子だといいみたいだね。じゃあ、一階のどこを見に行きたい?」
「ご飯食べるところか。えと、寝るところ?とかか。」
「じゃあ、後者に行ってみようか。さっきの彼らより話ができる人間がいてくれたらいいものだ。」
シャロの方を見ると先に廊下に出て行ってしまった。自分の家だから場所が分かるんだろうな。吸血鬼を先に行かせてホルンに背後を守ってもらいながら僕らは廊下に出た。廊下はやっぱり不気味な感じでさっきのガキどもを見た後だともっと雰囲気が嫌な感じがする。シャロが入っていった部屋の扉を吸血鬼が開けようとした時、後ろの扉からガキどもに似たやつが僕めがけて飛び込んできた。その勢いのせいかシャロが入った部屋に転がり入ってしまった。
「痛いなー。このクソガキ。ホルンこいつの頭ぶっ叩け!」
思ったより強くて僕が抑えられてしまった。ホルンはこの中で一番攻撃早いからすぐ助けてくれるだろう。
ビュン
すごい勢いの光が通っていったかと思うとガキの手が腕が一瞬で、あとかともなく飛んでいってしまった。こいつこんなことできたの?
「お前…もしかして魔法使えるタイプだったりする?」
ホルンはその通りと言わんばかりに僕の方に来て、わかりにくいけどくるくるとまわった。こいつのこと怒らせない様にしよう。今までがペシペシだけで済んだことはいいことだから。




