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第三十一話 時間怪盗



異世界から来た話は放っておいて問題解決をすることにした。


「どうやってシャロのお家への帰り道を見つけに行くんだ?」

「それはもういろんな街を転々と移動をするんだ。飛んでいって、それっぽいやつ街があったら見てまわればいいそれだけさ。」


吸血鬼は飛べそうだし、僕はホルンがいるからなんなく飛べるし、シャロはどうやって飛んでいくんだ。不老の人間って急に羽を生やすことができたりするものなのだろうか。


「そうですね。私はこれで行きますわ。」


シャロは両腕につけている腕輪を見せつけるように前に出してきた。手をグーにすると腕輪がするりと手から離れてふわふわと浮かび始める。ホルンと同じ原理なのか?いやあいつもなんで浮かんでるのかよくわかんないし。また、不思議なもんが増え始めたな。


「これでどうやって飛んでいくんだ。ここに乗って浮かぶにはちょっと無理があるじゃないかなあ吸血鬼お前が運んでやれよ。」

「女性を一人抱えるのも僕には難しいことかな。いそべくんの箒に乗せた方がまだいいと思うよ。」


二人乗りはいけないって知らないのかこいつ。シャロは黙って下向いたまんまになっちゃった。やっぱ二人乗りは嫌か。すると、ぼーっとした表情で顔を上げた。


「あれ、私たちまだここから動いてないんですね。えっとお名前はいそべさんですよね。あっていますか?ごめんなさい。これを使う時は毎回こうなってしまうんです。使用時、エネルギーの代わりに使用者の時間を奪っていく代物なので触れないように気をつけてくださいね。」

「なんちゅうデメリットだよ。やっぱどっちかに乗ってた方がいいんじゃないか。ほら、ホルンも全然二人くらいいけますよって感じだしてるぜ。」


手でがっしりと掴んでいたホルンが暴れているのか僕の手元から離れて皆から距離をとった。たいしたことないだろ。たかが一人増えて乗るくらい。まるで、ものであるホルンは気持ちがあるみたいな動きするよな。まあいいけど。


「大丈夫です。私は私の力で飛びますわ。さあ、違う街で私の家を探しに行きましょう。」

「ああ。それは不老であるシャロにとっていい道具であり使い勝手が良さそうだしな。シャロがそれでいくならそれでいいけどすぐ忘れんなよ。」


シャロは返事のつもりなのかニコッと笑うと浮かんでいる二つの腕輪の片方に右から足を乗せて順番に腕輪を前に出して空中歩行するかのように歩き出した。なるほどね。そういう使い方もあるといい学びになるなと思いながら僕はホルンにまたがり空を飛んでいく。今思えばこいつと出会ったのは室内、乗って飛ぶことは今までなかったから初めての感覚だ。


「広いし暗いな。シャロの家はどんな感じだったんだ。言われてもわかんないかもしれないけどね。」

「事前に聞いておいたからどこに向かうか。見当はついているさ。お二人さんついておいで。」


バサバサと大きな翼を広げながら吸血鬼は前を先導していった。



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