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第二十八話 吸血鬼



わん公と正面衝突した男がわん公の方に倒れたっきり起き上がる様子がない。わん公もさっきと違って動く様子がない。見に行ったら急に起き上がってきそうで怖いな。


「ホルン見にいけ。あいつらがちゃんと倒れているか確認してこい。」


ホルンが少しずつ飛びながら近づいていくと急に男が起き上がった。こいつまだ戦えるとかじゃないよな。男が起き上がったと同時にわん公に生えていた毛が元に戻っていく。よかった毛深い時より元の方がマシだから。


「うまい!なんでこいつはこんなにうまいんだ!」

「えっ。毛食ったのお前?マジかよ。どうりでなくなったわけだ。」

「血がこんなに美味い狼男なんて聞いたことも見たこともない!素晴らしい持って帰ってしまいたいくらいだ。君の番だろう。君を生かして返してあげるからこのものをくれないかい?」


血を飲んだのかこいつ。ということは吸血鬼?違う異世界に来た可能性があるな。僕が気絶したタイミングに他のとこに来たのなら納得だな。それよりこいつは僕に勝てると思ってるのか。


「わん公をやるわけねーだろ。僕に勝てるって本当に思ってんのか?

……普通に寒いから中でやんないこの話?」

「急に冷静にならないでくれないかい。検討してくれるなら僕の屋敷まで案内しよう。」


とりあえず頷いとこう寒すぎてもう喋る気も起きない。ホルンも賛成のようだから、わん公をホルンで干すようにかけて、僕は獅子頭を回収して男の後をついていく。また、こっちに襲いかかってきたらやばいから獅子頭を被っておこう。これで鈴を鳴らせばいつでも動き出すだろう多分。


「わん公が毛深くなった理由知ってるだろ吸血鬼。じゃなきゃ僕とホルンを狙いにこないだろ。この中で一番強くてめんどくさそうなわん公を放っておくくらいだもんな。」

「ああ知ってるともその話も屋敷で話そう。もちろんあったかい暖炉でな。君たちは寒さを感じるみたいだからね。」

「できれば縄とか縛れるものも用意してくれないか?そのままわん公を縛ってくれ吸血鬼。」

「それは命令かな?僕はあまり命r」

「いや普通にお願い!犬はトラウマなもんでね。触れたくもないだ。頼む。」


ふっと失笑が聞こえた。笑ってんじゃねえよ。獅子頭被ってても聞こえたぞ。そいいえばこいつわん公のこと狼男って言ってたな。わん公がいた世界やオネエがいたところは獣人って言ってたから多分違う世界に来たな。気絶した時に何が起こったかわからないがわん公に聞けばわかるだろう。精神が保っていなくともなんとかなるだろ。

状況の整理をしていると男の言う屋敷に着いた。



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