第二十七話 戦い方
ペシペシと細い棒で叩かれている気がする。いや、これは思いっきり叩かれているな。きっとあの箒だろう。今起きたら、さっきのでかい犬がいるに決まっている。犬如きで気絶するなんて僕のプライドが傷つく。それにしても床が冷たい。
「冷た!!ってここどこだよ。いてて。もう起きたから叩くな!クソ箒。何があったんだ………はっはっはっはっはっはあああああ。」
ホルンがいる方を少し首を上げてみるとわん公が遠吠えをしている。よく体を見ると毛深くなっていて口元や手の形がまるで本当の犬に変わりそうになっている。ふざけんな!だから、犬は嫌なんだ。
驚いて僕が動けなくなっているとホルンがわん公の足をなぎ払い、わん公は雪の中に倒れ込む。今のうちに逃げろってことね。ありがとうホルン。見たくもないから後ろを振り向かずに雪の上を走る。前にホルンが前を遮るように飛んでくる。
「邪魔だバカ。わん公はもうダメだ置いていくぞ。元が耳と尻尾があるだけだったのに急に毛深くなって四足歩行になるなんて聞いてない。」
「お嬢さん。嫌な思いをさせる男より僕の方がいいとは思わないかい?」
「誰だお前。どこから出てきやがった。」
ホルンを振り払おうとしていたら後ろに青い髪の男がいつの間にか立っていた。ホルンは警戒しているのか僕と男の間に入る。僕は近くに落ちていたわん公が持っていたであろう剣を拾った。剣ってこんなに重いものなのかもしもの時は戦える……とはいえないだろうな。寒さで手が震えるくらいやばい。
「お前がわん公をこうしたのか?」
「そんな泣かないで。そそるじゃないか。お嬢さん満月の夜にあまり暴れるのはよしたほうがいい。」
「泣いてねぇーよ。バーーーーカ。僕はお嬢さんじゃねぇ。落とせ。ワンダーランド。」
白い空間が空に紛れる中、拳大の石ばかりをわん公と男めがけて落ちていく。積もっていた雪も少し盛り上がり動きづらくなるがそれでいい。ホルンにわん公を任せて男の方を見ると地面から体を離していて飛んでいると気づくのに時間がかかった。こいつどうゆう原理で飛んでんだ。よく考えたらホルンもどうやって飛んでんの?いや、こいつは魔法か。
「なんで飛んでんだお前。意外と自分の手の内明かしてくれるタイプか?」
「大丈夫。すぐに終わらせてあげよう。君が暴れなければの話だけど。彼も辛いだろう。」
ワンダーランドは戦いに向いてないしここは一か八かだ。白い空間にから二つの獅子頭を落として出す。一緒に落ちてきたであろう棒にたくさん鈴がついたものを取り僕は勢いよく振った。
「獅子どもよ舞え。」
鈴に反応したのか獅子頭が急に動き出して男に襲いかかった。こいつもどういう原理で動いているのかわからないが今はこいつらに戦わせておいた方がいい。
ホルンの方を見ると立派な棒がわん公に噛み砕かれそうになっている。あいつ意外と頑丈なんだな。状況を確認している束の間僕のことを狙った男が僕の方目掛けて飛んでくるのが見えた。
「ホルン!飛んでこい。」
対角線上にいるホルン呼びかけると僕の右手の方へと飛んできて、飛んできたホルンの掴み男の攻撃をうまく避けた。まあ、その攻撃はわん公に正面衝突してしまったが。




