第二十二話 オムレツ命
終始、沈黙が流れる。わん公は焦った様子で僕とオネエの顔を交互にみあう。気まずそうな顔をしながらオネエは話し始めた。
「……ここは一応民宿みたいな感じではじめたものだから冒険者の人とかがよく来る場所だったの。でも、冒険者の人たちは今回みたいにみんな無事に帰ってくることなんて絶対にあるとは限らないの。誰かが怪我をしていたり、死んでいたり、ここまで生きて帰ってきたと思ったら部屋で亡くなっていたりする人もいたの。もちろん、どの民宿も同じで亡くなる人はいるわ。私の店は多くの人が冒険に出て帰ってこない人がいた。それがこの店をやっていく上で普通のことだったの。でもね、有名な冒険者が泊まった次の日その冒険者は亡くなったの。それからよ。私の店の評判が悪くなっていったの。まわりの人は私のせいじゃないというけれど、ここまで落ちぶれた今それ以外考えられないのよね。私の店もここまで最後にあなた達にきてもらって嬉しかったわ。」
「ここまでってことはたたんでしまうのか?」
「ええ。それしかできることがないもの。」
しばらく沈黙が流れる。気まずい空気が流れている気がする。こういう時は何かわん公が喋ってくれるのかと思って聞いたが聞くんじゃなかったな。全員喋らなくなっちゃった。
「ううん。本当に原因はただの人の死にすぎだと思うのか?」
「それはどういうこと?」
二人は僕の方を穴が開くくらいまっすぐに見つめてくる。こうゆうのは勢いと思いつきで話すもんだ。
「この土地はいいもんじゃないな。まあ、建物なんて建ってなきゃいいだけの話なんだろうな。見えないか?この店と土地にやどっている嫌な感じが。この土地は神様に好かれてんだ。勝手にお店を建てられて怒ってるんだ。だから、ここにくる奴らにやなことが起きんだよ。」
そっち系が見えるばかりか信憑性なんて考えずに喋ってしまう。すると、わん公が少しこちらに寄ってきて小さな声で喋りかけてくる。
「何言ってるのかわからないけど、神様のせいってコト?」
「多分な。見えてはいるんだ。でも、神様とかがやってんのかわかんない。適当言った。こう言うことは適当に言っておくもんだからな。」
「適当はダメでしょ。お店が潰れちゃう危機かもしれないのに……ここでご飯食べれなくなっちゃうよ。オムレツ食えなくなるよ。」
何!オムレツが食えなくなるのはやばい。せっかくうまいもんを知れたのにこんなことで食べれなくなるのは流石に泣くぞ。
「そうだったのね。私なんてことを神様のためにもこのお店をたたまn」
「まあまあ、お店なんてどこでも開けるだろ。あんたの飯うまいし、他にいろんな奴が来るとこでお店ひらけやいいんだよ。なーー。」
わん公の方を見ると頷いている。
「他の場所を今から始めるのはねえ。少し遅すぎるんじゃないかしら。」
「お店に寿命があるわけじゃないだろ。いろんなやつが来て、腹を空かしていて……そう、ダンジョンでお店を開けばいいじゃないか!」




