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第二十一話  ちょっとご褒美



店の外はもう夜。僕らは腹が減って仕方がなかった。わん公の腹がなる頃、あのオネエが他の部屋から出てきた。どうやら治療が終わったみたいだ。


「あの人たちは無事なのか。」

「ええ。なんとかね……さあ、頑張ってくれた二人に美味しい料理を振る舞ってあげなくっちゃね。何か好き嫌いはあるかしら?」

「俺は嫌いなものは特にない。好きなものはお肉系かな。」

「僕パン食えればいいや。」

「わかったわ。任してちょうだい。」


ご飯を用意してくれるみたいですぐにバーのカウンターの方に入っていった。この世界の食べ物は何があるのかわからないが食べれないものだったらすぐわん公にあげよう。そんなことを考えているとわん公が小さな声で喋りかけてきた。


「そう言えばこの店全然お客さん来てるように見えないな。中は綺麗でおしゃれなのに。」

「繁盛してないんだろ。それよりわん公。この店なんか嫌な感じしないか?」

「え?嫌な感じって何処が?あの人のこと言ってるもしかして。」


そういうことじゃないだよな。わん公が見えないタイプだったか。お姫様を助ける時も呪いの類は見えてないっぽいからな。客が来ないのはきっとこれのせいだろうな。そんなことを考えていると目の前に唇みたいな黄色の何かとパンが置いてあるお皿が置かれた。わん公はお肉っぽいやつが皿に乗っている。


「パンの隣に乗ってる黄色いやつはなんだ?パンだけ食べれればいいからいらないんだが。」

「あら、知らないの?この料理はオムレツよ。なんとこのオムレツ、中にチーズが入っているのいいでしょう。そっちは奮発してステーキを焼いたのよ。」

「ここまでよくしてくれるだなんて。本当にありがとう。それじゃいただきます。」


わん公は僕の顔2個分くらいあるステーキを今にもたいらげるくらいの勢いで口に運んでいる。


「いそべも用意されたんだからオムレツ食べればいいじゃないか。美味しそうだし食わず嫌いはよくないよ。」

「そうよ。美味しいから食べてほしいわ。熱々のうちに召しあがれ。」


こいつらの視線がウザい。頼んでもいないのに勝手に入れてきたくせになんなんだ。食べればいいんだろ。スプーンでひとすくい口に運んでみる。


「うまい。なんかぬめぬめした感じがいいな。あと、グニグニしたのが面白い。」

「フワトロっていってほしいわ。グニグニはチーズが伸びてることを言いたいのよね。美味しいでしょ。オムレツの中にいろんな食べ物を包むと楽しいの。」

「いいな。今度俺にもつくってほしいな。」

「いくらでもつくるわ。うちの店はあまりお客さんが来ないから大歓迎よ!」


やっぱし、獣人を嫌がる世界なのに客が来ないからか。こいつが僕らを歓迎してるのは。


「お客が来ない理由は何かあるのか?」



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