第一話 異世界転移事故
俺は新井優大。ただの男子高校生だ。
俺はある日、入学式の途中で居眠りをしていて、目が覚めると異世界召喚ってやつをされていた。
夢かと思ったけど召喚された瞬間、体に衝撃があったから夢とは思えない。
「漫画とかであるやつがついに俺にも…」
見た感じ俺を召喚した人たちは俺と左のほうを交互に見比べている。もしかして、俺以外にも召喚されている感じか?
隣を見てみるとそこにいたのは着物を着た中学生くらいの女の子。すごい倒れ方をしている。よく見たら番傘を持っていて俺とは違う世界にいたかのような雰囲気がある。いや、着物くらい着る人は着るか。
なにやらまわりが騒がしくなってきて、俺の目の前に一人の騎士の服装をした男が近づいてきた。
「おい。そこの男。今すぐお前のステータスをみろ。ステータスに書いてある魔法の欄になんと書いてあるか今すぐに言え!」
厳つい騎士がチュートリアルをしてくれてる?のか?いや、明らかにそうじゃないな。態度悪いしなんかいやだな。
言われた通りステータスを見てみると俺の持っている魔法は「魔法を無効化し、その魔法を習得する」というふうに書いてあった。
えっ。なんか良さげなのもらってないか俺。異世界無双でもしようかな。
騎士を見てみると隣で倒れている女の子を起こしているようだった。
「おい。起きろ。お前はなんの魔法を持っている!起きないのならここでお前を…」
騎士が声を荒げているうちに女の子は起き上がり、俺の前に立った。
「お前。よくも…ぼ…ひ…な」
「えっ。なんていったの?」
「お前!よくも僕を轢いてくれたな!」
今なんて言ったこの子は。いつの話だよ轢いたって。
俺が解答に困っていると女の子は落ち着いた様子で語り始めた。
「お前。この世界とお前の世界の転移の最中に僕とぶつかったんだよ。僕を轢いたの!痛かったんだからな!」
謝ったほうがいいのかこれは。でも、俺も衝撃あったし。
女の子との無言の見つめ合いが続く中。
騎士が声を荒げた。
「ふん。そんなことどうでもよい。二人も召喚する手筈ではなかったからな。お前ら。今ここで魔法を使い戦え。」
初っ端からやばそうだ。でも、大丈夫だ俺は見た感じ魔法殺し。確実に勝てる。