プロローグ 良運
サラスに異世界の興味深い話を散々聞かされ、期待を膨らませてこの世界へと来たのだが、
「なぁ。サラス。ここ異世界だよな? なんでこんなに森ばっかなんだよ」
あまりにも限りなく続く森林にうんざりし、早くも地球に帰りたいと思っていた。
一時間程、歩きっぱなしだろうか。足がパンパンだ。
「なんで森ばっかりと言われてもねー。最初のテレポート場所は固定らしいのよ。文句なら女神様に言ってちょーだい」
「ん? じゃあ、テレポートすればいいんじゃないか?」
「まぁ、確かにね」
サラスはそう呟いて、しばらく沈黙を貫いた。
数秒間の沈黙の後、口がゆっくり動き始める。
「『テレポート』やってみる?」
「おう。それでいいと思うぞ」
「後悔はしない?」
「なんでだよ。こんな場所よりかは遥かにマシだぞ」
「うん。わかった」
サラスの生唾をゴクリと飲み込む音が聞こえる。
「『テレポート』」
※※※※※※
濃くて熱い霧の中に俺達は飛ばされた。
霧が身体に触れ、何となく湿っていくのを肌で感じる。
サラスはなんてとこに『テレポート』してんだ?
「サラス。ここどこ──」
「だっ。だだだっだだっだ、誰?」
サラスの声ではない、可愛いロリボイスが霧の向こうから聞こえてくる。
その声が聞こえた場所へ近づくと、
そこには、風呂に浸かって怯えた表情でこちらを睨む金髪のロリがいた。




