表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/30

2391 二ゲル

 森の中。

 狼の様な獣に追われていた。

 黒い体毛に覆われたその巨体は、目が合ったその刹那、殺気を向けてきたのだ。


 胸が痛い。

 苦しい。


「サラス! まだ走れるか?」

「はぁ……はぁ。もう……そろそろげん……かい……」


 前方でゼェゼェと苦しそうな声を出すサラス。

 今にもこけそうな走り方をしている。

 振り返れないが、後ろの獣に捕まったら死ぬというのが何となく察せる。


 しかし、俺は異世界に来た日本人。

 きっと隠れた力が俺にはあるはずだ。 

 どうにかなる。

 焦っていたが、心のどこかでそう感じていた。


「……そうだ! 妙案だ! 『テレポート』! 『テレポート』だ!」

「そ……そっか。……うん。これで……死ぬよりかは……!」


 サラスは何かを決心したように、走っていた方向へ踵を向ける。

 疲れ切った顔で俺を見て、近づいた俺の手を掴み。

 獣に追いつかれるか追いつかれないかの所で、


「『テレポート』」


 よし!

 間に合った。

 これで助かる!



※※※※※※



 ──え。

 え、え?


 暗い。苦しい。冷たい。

 心臓が締め付けられる。潰される。


 何かに全身をくまなく、冷たい何かに締め付けられているような。

 ただひたすらに痛い。


 大丈夫だ。

 俺は……異世界に来た日本人なのだから。

 きっと。ここから──



 ────。



 まただ。

 また酷い夢だ。

 もう嫌だ。

 こんな夢、もう見たくない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ