プロローグ
「サラス。今からどうするべき?」
俺たちは刑務所から出され、玄関の横の木製のベンチに座っている。
刑務所と言っても、大きさは小さめのようらしい。
周りの建物は、木組みでオレンジ色の屋根。
梁の濃い色と、壁の白色がコントラストをなしている。
いかにも異世界の建物って感じだ。
「どうするって言っても、まあ宿でも探す?」
「いや、金が無いんだって。……もしかして、金持ってたりする?」
「あ! 無いわね。どうしよっか?」
「どうしよっかじゃねぇよ。え、もしかしてこのまま餓死したりとか……」
「そりゃするわよ。幼稚園で食べ物が無かったら死ぬって習わなかった? あ、そっかニートだったのか」
こいつ。
黙って聞いてりゃ言いたい放題言いやがって。
「幼稚園じゃなくて保育園だっつの!」
「あ、怒るとこそこ⁉︎ ってふざけてる場合じゃないわよ!」
え、ふざけたつもり無かったんだけど。
まあ、ふざけてる場合じゃないってのは確かである。
「うーん。本当にどうしよっか」
数秒間の沈黙。
……とサラスが何かを思いついたようにポンと手を叩く。
「そうだ! せっかく音楽の無い世界に来たんだもの。路上ライブでもして金を巻き上げない?」
「確かにそれいいな。巻き上げるって言い方は良くないが。今は太陽の位置からして正午くらいだろうし、やってみるか」
俺がそう言うと、サラスはベンチから勢い良く立ち上がり、嬉々とした表情で言い放つ。
「よし! じゃあ、早速行くわよ。れっつごー!」




