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城壁

こんばんは!

覗いてくださり、ありがとうございます!


テスト期間ということで少し短いです...。

早く終わればいいのに。

 村から雪見草までは、たいして時間はかからなかった。


 雪見草にたどり着くと、今まで黙って歩いているだけだった村長が、口を開いた。


「この雪見草はじゃな、外側に住む者が内側へと渡れなくするために植えられたんじゃよ。わしらの中には、何人もこの花畑に挑戦するものもおった。でも、向こう側に渡れた者は、いなかったのう。」


 俺は目を細める。いわれてみると、遥か遠くに城壁のようなものが見える気がする。


 しかし、1日かけて行けないような距離ではないだろう。


「主は今、辿り着ける様な距離だと考えているだろう。勿論、走れば夕暮れまでには辿り着く距離だろう。だが、ここに1度入った者は、もう2度と入りたがらない。わしもその1人。」


 俺は、まさかと思うものがあった。幼い頃に見た、貧民街の記憶。それを思い出した。


「あれは丁度、12の時だったのう。わしの父は村長じゃった。父には、子供がわししかいなくてのぉ。わしは小さいころから、あの村の長となることが、決まっておったんじゃ。」


 急に村長の、子供の頃の話が始まった。


 12歳か。俺達が貧民街に入ろうとした時も、同じくらいの年だった気がする。


「でも反抗期であったわしには、その運命が許せなかったのじゃ。どうしても自分の未来を、自分で決めたかった。そしてわしは、あの村を抜け出すことに決めたのじゃ。」


 村長が一瞬の間、口を閉じる。思い出にでも浸っているのだろうか。


「わしは思ったんじゃ。この外側の世界にいては、いつか見つかってしまうだろうと。だったら、あの壁の中に身をひそめてしまっては、どうだろうか、と。そしてわしは、日が昇ってすぐに、この花畑に足を踏み入れた。」


「でも、今ここにいるということは。」


「あぁ、そうじゃ。わしはあの壁までたどり着くことが出来なかったのじゃ。途中までは順調に進んでいた。でも、あるところまでたどり着いたときに、何か、何かを感じたんじゃ。」


 やっぱりだ。俺達が貧民街に行こうとした時に感じた恐怖、きっと同じものだろう。


「わしは構いなく進もうとした。そんな恐怖に負けないくらいの、意思はあったつもりじゃ。でもわしの気持ちと裏腹に、足は動かなかったのじゃ。わしはその場から、1歩も動けなくなった。そのまま時間は刻一刻と、過ぎて行っての。太陽が沈みだしたんじゃ。」


 村長が再び話に間を入れる。


 俺が今まで住んでいた国の中で、こんな場所があったことが信じられない。


「わしは焦った。このままでは日が暮れて、雪見草に魔力を吸われてしまうと。わしはこの時、この花が植えてある、本当の意味を知ったのじゃ。だが、そんなわしを、父は見捨てなかった。後ろからわしを、呼ぶ声が聞こえての。わしは我に返ったんじゃ。急いで後ろへと走って走っての、父の乗ってきた馬に跨ったんじゃ。それから花畑を抜けたのは、ぎりぎりでな。戻ってこれて本当に良かった。」


「それで村を出ることをあきらめて、村長に?」


「諦めたというわけじゃない。わしはその日から、危険を顧みずに、助けに来てくれた父を尊敬しておる。父のように、立派な村長になりたいと思ったのじゃ。」


 それだけ言い残すと、村長は後ろへと戻っていった。


 俺が幼いころに感じた、恐怖。それと同じものが外側でも起こっていた。


 俺は急いで村長について戻る。もう夕暮れだ。そろそろこの花は姿を変えてしまうだろう。






「あ!2人ともおかえりなさい!そろそろご飯できるよ!」


 そう言ってソフィーが迎え入れてくれた。

 いい匂いがする。何か揚げ物でもしたのだろうか。


「あ、おにぃちゃん!さっき、キレイな髪のおねぇちゃんが、めー覚ましたの!」


「!?」


 マナミが目を覚ましたようだ。様子でも見に行こう。


最後まで読んでくださり、嬉しいです!


それでは、またお目にかかれることを楽しみにしています!

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